1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

11月の受診結果

26日に受診してきました。

このところコントロールが良いと感じていたので、A1cが幾つになるか気になっていました。結果は-0.3で6.4。

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高血糖低血糖がかなり減らせた。特に、朝食後の高血糖が減少。

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朝食で変えたことは、デュアルボーラスをやめ、ノーマルボーラスに変更したこと、食事の開始をボーラスにかかる時間を考え、約20分後にしたことです。

毎日の朝食は炭水化物量が70~80gで、9~11単位をボーラスする。標準のボーラス速度は1.5単位/分なので、約7分ボーラスにかかる。この時間に15分を足して、20分後に食事を始めるようにしました。

一方、補食が増えたので、5.7g/uだった糖質比を、6.4g/u(10/25)→ 7.0g/u(10/29) → 7.4g/u(11/1) → 7.7g/u(11/16) → 8.0g/u(11/24)とインスリン量を減らしました。ポンプを使い始めた時の糖質比が全食について8g/uだったので、この数値に戻ったことになります。

 

Week to weekのチャートで日別の変動を見ると、こんな感じ。

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昼食と夕食はデュアルボーラスを使い続けていましたが、11/6からノーマルに変更しました。

 

昼食後の高血糖

が原因です。糖質比については、11/20に10.0g/uを9.2g/uに変更しました。

脂質への対応は、食後に見込みで追加ボーラスするようにしました(ノーマルに変更したことで、食後に直ぐ脂質分のボーラスできることもプラスになっている)。

この2つの改善で、第5週(11/19~11/25)に効果が出て、高血糖が減っています。

 

夕食後の高血糖は、就寝中の低血糖を避けるために、食後の血糖変動に応じて追加するボーラスを小刻みに行ったことが影響しています。

例えば、夕食にカレーを食べた時、後上がり対応として食後に2単位を追加ボーラスしたとします。ところが、2時間後くらいに血糖値が200前後で高原状態になり、この2単位では足りていないことが分かります。その時、(射ち過ぎを心配して)ボーラスする量を決めるのが難しく、取りあえず0.5単位をボーラスする。30分経っても血糖値の降下が現れないと、再び0.5単位をボーラスする。この繰り返しで、血糖値が下がらず、200前後の高血糖が続くことになる。

解決策は、①食後に見込みで思い切ってボーラスする、②食後1~2時間の状況で多めにボーラスする、ようにしました。この結果、ボーラスし過ぎなら、就寝前に補食する、と割り切って考えるようにしました。

第5週目あたりから、この方法で対応しています。

眠前の血糖コントロール

10月初旬に入院で受けたステロイド治療後の変化は、「退院後の血糖値などの変化」に書いたこと以外に、眠前に血糖値が上昇することです。

 

入院前は、眠前の血糖値を130に誘導し、入眠後にゆっくり下がりました。今は、これ(ゆっくり下がる)が無くなり(20〜21時の基礎レートを微調整したことが影響している可能性もある?)、夕食から2~2.5時間後に80~90に下がってから、130~150くらいまで上がります。こうなる頻度は、過去4週間で19日(28日中の19日)。そのため、必然的に眠前の補食が減りました。

 

眠前の血糖値上昇への対応は、スーパー・ボーラスの考えで、血糖値を100に下げるインスリン単位数を射ち、それに見合う量の基礎をマイナスしています。

 

スーパーボーラスは、2年ほど前のYOKOHAMA VOXの医師講演で知りました。基礎レート(例えば、基礎レートが0.2u/hrの場合、1.5時間相当の0.3単位)を前倒しでボーラスし、その時間分(前述の例では1.5時間)の基礎を停止(最大2時間i以内を想定)させ、血糖値を迅速に下げる方法です。ポンプの機能を生かしたアプローチで、日中でも時々利用している。

 

 

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上図は昨日(11/17)のグルコース変動です。22:35の実測が131mg/dL、ここでセンサを較正。23:06のグルコース値が133mg/dLだったので0.5単位をボーラス後、これでは足りないと思い、23:13に0.1単位を追加ボーラスしました(上図の赤矢印の箇所)。夜間のインスリン効果値は70mg/dLなので、0.6単位のインスリンで42mg/dL下がる計算です。

 

基礎は、23:07から4.5時間40%に設定しました。基礎レートは、23時から3時までが0.15u/hr、3時から3時半までが0.2u/hrなので、0.525単位の削減です。

 

午前3時半以降は、常に血糖値が上がるので、基礎レートの変更はしません。早朝にトイレで眼があくことが多いので、ポンプのチェックを行い、必要に応じて補正しています。

 

今朝は午前6時半に眼があき、ポンプのグルコース値が93mg/dLだったので、基礎を90%に落としました。この結果、今朝の起床時の実測が89mg/dLでした。

 

基礎レートは、「退院後の血糖値などの変化」で書いたとおり、退院後の10/14、午前3時半から7時までの基礎レートを合計で約0.7単位増やしましたが、その後、この変更だけでは足りず、0.4単位を増やしました。

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過去4週間(10/22~11/18)の80-180のTime In Rangeは86%、朝食後の高血糖がほとんど無くなり、かなり良い感じです。

 

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朝食の糖質比の見直しと血糖コントロール

ステロイド治療で入院中に学んだ血糖コントロールを朝食のボーラスに適用して、朝食後の高血糖が解消しました(詳しくは「朝食後の血糖値を改善する」)。

 

下図は、退院後の10/9から今日までのグルコース変動。朝食後に230まで上がったことが1回のあっただけ、200前後が数回、他は180以内です。低い時はピークが140くらいの時もあり、これはインスリンが多く射ちだったと思います。

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そのため、昼前に補食が必要になるので、糖質比(インスリン・カーボ比)を、10/25に5.7g/uから6.4g/u(約13%減)に減らしました。それでも補食が必要なので、今朝は7.0g/u(約23%減)に変えました。補食だけでなく、同時に基礎レートを減らしています。

 

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今日は補食が必要なかったので、良さそう。

 

昼食の糖質比10g/u、夕食の8.5g/uと比べて、朝食の5.7g/uはバランスが取れていないと感じていたので、7.0g/uにしたのは妥当かもしれないと思う。

 

経験で感じたこと。同じ食べ物(同量の炭水化物量)を摂っても、適切なインスリンを射った場合と、インスリンが足りずに高血糖から補正した場合では、インスリン量は、後者の方が前者よりも多く必要。そのため、以前は、食前ボーラスのインスリンが食べたものとバランスせず、血糖値が高くなり、多量のインスリンを消費していた、と考えています。

 

それからもう一つ。基礎レートは、7時台が0.725u/時、8時台が0.6~0.5u/時、9時台が0.4u/時に設定しているので、ある程度のボーラスし過ぎであっても、グルコース値が下がる速度(↓の本数)と残存インスリンに応じて、一時基礎を30~40%あるいは0%にして、調整できます。実際、かなり頻繁に(ほぼ毎日)、これで調整しています。

 

これで、しばらく様子をみます。

10月の受診結果

 先週の木曜日(22日)が定期受診日でした。A1cは+0.2で6.7%、これはステロイド治療の影響です。9日間の入院中、血糖値300超えが毎日起きていた割には、小幅な上昇に抑えられ、良かったと安堵しています。

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前回の通院日以降を、治療前、治療中、治療後の3つの期間で比較すると、ステロイド治療の影響がはっきり分かります。

 

治療前の9/17~9/29
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治療中の9/30~10/8

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治療後の10/9~10/21

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3つの期間の平均グルコース値と標準偏差

 

    平均グルコース

    標準偏差

  治療前(9/17~29)

     120.7

     36.4

  治療中(9/30~10/8)

     137.7

     56.1

  治療後(10/9~21)

     125.7

     30.5

 

 パイチャート(Time In Range)で3つの期間を比較すると治療後のTIRが大きく改善していますが、平均グルコース値は、治療後の125.7、治療前の120.7で、血糖コントロールが改善している治療後(「退院後の血糖値などの変化」)の方が治療前よりも悪化しています。

この理由は、

  • 低血糖になる前に補食する
  • 就寝中の血糖値を高めに維持する

からです。これは、標準偏差が治療前の36.4に対して、治療後の30.5と血糖値の振れ幅が減少していることで分かります。

 そのため、次回の検査でA1cが大きく改善することはなく、若干の低下にとどまると考えています。

補食を工夫する

発症1年後に「低血糖時に、美味しく補食する」の記事を書きましたが、それから3年ちかく経ち、補食の内容がかなり変わりしました。

低血糖になる前に補食することが多く、これが一番大きな変化です。もちろん、気がついたら低血糖になっていることもあるので、全てうまくいってるわけではありません。

 

先日の9日間の入院生活で、補食についても見直すことができました。

入院時に、病室も持ち込んだ食べ物。

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この内容、上の左から右へ、下の左から右の順で書きます。括弧内は1個あたりの炭水化物量。

  • カフェインレスの豆乳コーヒー飲料(15.2g)
  • カントリーマアム(6.7g)
  • 骨にカルシウムプラス!バニラ味(4g)
  • 東ハト ハーベスト香ばしセサミ(7.7g)
  • 鳩サブレ(19.4g)
  • 夢のくちどけ ぶどう糖(2g)

入院中の補食は、「⑨突発性難聴と血糖コントロール」の記事に書きました。

 

日常生活では、低血糖になる前に補食して80を切らないようにしています。ポンプの表示が100を下回れば無条件に補食する、120くらいでも変動状況で補食します。

補食は、6~7gのクッキー類を食べるか、ぶどう糖4~6gを摂るのが基本で、その時の状況(下記)で、何を摂るかを決めます。

  • 残存インスリンが何単位くらいあるか
  • 基礎がどのくらい停止していたか
  • 現在のグルコース値と下がるスピード(↓の数)

この3つをざっくり考えて、食べる量を増やすこともあります。これは、残存インスリンがある時は普通に補食しても血糖値が上がらない、基礎が長く止まっていると期待したよりも血糖値が高くなる、などをさけるためです。

一番気をつけていることは、70以下にならないようにすることと、補食し過ぎでリバウンド(高血糖)することです。そして、できれば80~90くらいに保つのが目標です。ただ、経験上、細かく考えて計算してもあまり意味がないので、6g前後の補食を、クッキー類にするか、ぶどう糖にするかだけを決めています。

 

例えば、昨日の昼前の出来事。

  • 10時半にグルコース値が下がっているので基礎を停止(プリセット一時基礎で基礎レート0%で持続時間が、30分、60分、90分、120分の4パターンを設定している)
  • 午前11時ころ、ポンプのグルコース値が116で『↓↓』、残存インスリンが約1.5単位だったので、カントリーマアムを1個(炭水化物6.7g)を摂った
  • 直後にスマートガードが動き始め、15分後にそれに気づき、グルコース値が91だったので、ブドウ糖8gを追加で補食
  • この結果、昼食前(12時過ぎ)の実測が90

 

体感では、補食による血糖値の変化が

  • ぶどう糖は10〜15分
  • 角砂糖は20〜.30分
  • 豆乳コーヒーは30~50分
  • クッキー類は40~80分

くらいで出るので、その時の状況で何をどのくらい摂るかを決めています。 

 

昨年後半まで、ぶどう糖は病院の薬局で粉末と固定の物が無料で貰えていましたが、1型患者用に提供するものではないとの理由で、入手できなくなりました。大丸本舗の『夢のくちどけ』と名付けられたぶどう糖100%ものに変更しました。

これは、固形で1個が2g、口に入れ舌にのせると唾液で溶け、容易に飲み込めるので、便利。ヨドバシのネット通販で10個をまとめて購入して、ストックしています。

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ボトルがかさばるので、携帯用にカバヤジューCのプラスチックケースに入れて、カバンに常に3本を持ち歩いています。ジューCのケースはテーパーがついて、底が細くなっているので、最初に入れる2個は、スプーンでぶどう糖の角を少し削る必要があります。一つのケースに8個入れ16g、3本で48gを携帯しています。

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カバヤのジューCグルコースは、あまり出番なしです。理由は、口の中でかみ砕く必要があるので、摂り難いことと、血糖値の上昇が遅い(GI値が低い)ため、使い勝手が悪い。

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角砂糖も使っています。1個が炭水化物3.3gで、ぶどう糖よりも血糖値を上げるスピードが遅いので、急いで血糖値を上げたくない場合に利用しています。ぶどう糖よりもコスパが良いこともメリットです。

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以前は、砂糖とぶどう糖のGIが同じと考えていましたが、違いますね(下図は「GIとカーボカウント」から引用)。

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眠前の補食は、もう少し細かく考えて補食しています。血糖値の持続性が必要なので、ある程度脂質が含まれているものとして、

 

ラシュクーレ 商品情報 |ブルボン 1個5.2g

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1個で炭水化物1.6gの まじめミレービスケット | 豆の野村

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を利用しています。ミレーのビスケットは、微調整用として、例えば、8gくらいにしたい時、ラシュクーレ5.2とビスケット2枚の3.2にします。

歯磨きをし直したくない時は、豆乳コーヒー(カフェインレス)をキッチンスケールで量って必要量に調整して摂っています。

 

退院後の血糖値などの変化

退院してから1週間。

退院後も突発性難聴による耳鳴りが断続的にありましたが、昨日あたりから減り、今日は、ほとんど感じない状態になりました。

 

退院後の血糖値には、2つの変化がありました。

一つは、前記事「朝食後の血糖値を改善する」に書いた、朝食後の高血糖が無くなりました。これは、入院中の血糖コントールで学んだことの応用です。

血糖値が高くなる原因は

と考えられます。朝食後の高血糖を減らすために、糖質比を変えたりなど、いろいろなことを試しきました。朝食の糖質比を、7.7g/u(3月まで)→7.0g/u(4月)→6.7g/u(5~6月)→6.4g/u(7~8月)→5.7g/u(9月から)と変えてきた結果、昼食前に血糖値が安定するようになっているので、インスリンが足りない可能性は低い。インスリンが作用するタイミングと消化するタイミングが合っていないのだろう、との考えに至りました。そして、次の2点を行い、改善できました。

  • デュアルボーラスをやめ、ノーマルでボーラスする
  • ボーラス開始から20分後に食事を始める

 

7日間のうち、6回は200以内に収まり、200を超えたのは1回だけ(→この原因はインスリンの作用ピークと食べたものが消化・吸収されるピークがズレたため、と推測)。

入院前(9/23~29)と退院後(10/9~15)の7日間について、80~180mg/dLのTime In Rangeは、入院前の83.5%から退院後の91%に改善しました。

 

9月23日~29日の7日間

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10月9日~15日の7日間

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もう一つは、明け方に血糖値が高くなる、という変化です。

早朝に目があき、ポンプをチェックする習慣があります。退院後、早朝のグルコース値が高いため、補正ボーラスをしました。それでも、起床時の実測は入院前よりも高い。

  • 10/09 6:10 152 → 1単位を補正 → 起床時実測 124
  • 10/10 5:40 127 → 0.5単位を補正 → 起床時実測 114
  • 10/11 4:15 120 → 0.5単位を補正 → 起床時実測 124
  • 10/12 6:00 121 → 0.5単位を補正 → 起床時実測 133
  • 10/13 5:40 149 → 1単位を補正 → 起床時実測 158

ステロイドの影響は消えているはず、でも起床時の血糖値が高い、不思議。

基礎レートの調整が必要と考え、午前3時半から7時までの基礎レートを合計で約0.7単位増やしました(下図)。

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この変更で、就寝中の血糖値がほぼフラットに戻り、起床直後の実測が、10/14は93、10/15は95となりました。この状態が維持できれば良いですが、多分、この変化は一過性と思うので、今後の推移を見守る必要がありそう。

 

血糖値以外の変化。

 

体重が減りました。入院前に比べ約2㎏減っています。入院中は、食事量を少な目(ご飯160g)にしていました。体力維持のために毎日4000~6000歩の運動(病棟の廊下を歩き、B1~7Fの階段を3~4往復)もしました。

退院後は元の生活に戻りましたが、生活面の違いはビールを控えていることです。次回の耳鼻科の診察までの2週間、アルコールの摂取を止められているためです。恐らく、これが原因でしょう。

 

退院日の朝、SAPセンサが2クールの6日目に達して、センサ交換でした。いつもは尻に留置しますが、自分でオーバーテープを貼ることができないので、1日前にお腹に留置しました。5日目の12日から、時々ISIG値が不安定になり、6日目の昨日(13日)の夜は、下図のように読み取り値が凸凹になっています。体の動きでセンサの電極が影響を受けている可能性があると思い、2クール目の使用を諦めました。13日の朝、新しいセンサを尻に留置し、1日おいて14日の朝、切り換えました。

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朝食後の血糖値を改善する

9日間の入院は、血糖コントロールについて見直す良い機会でした。ステロイド治療という未知の分野で血糖値の上昇を経験し、試行錯誤しながら血糖コントロールを行いました。この経験を通じて再認識したことが2つあります。

  1. インスリン製剤の効果発現時間、作用時間と効果曲線、自分の食事スタイルとのバランスを考えることが必要
  2. ポンプの注入時間を考慮することで、血糖値を下げることができる

発症から4年ちかく経ち、日々のインスリン注入と食事を摂るという一連の行為がマンネリ化し、惰性で行うようになっていたこともありました。朝食について、この2点を改善すれば、高血糖が減ると思い、退院後からすぐに見直しました。

 

ヒューマログは射ってから効果が発現するまでに15~20分ほどかかるので、これまでは食前ボーラスから12〜15分後に食べ始めるようにしていました。作用のピークは約60分後ですが、このことはあまり念頭に置いていませんでした。

 

ポンプは、注入に時間がかかります。注入速度は、急速と標準から選べますが、過去のトラブル(「640Gの閉塞検出トラブル(原因)」)で急速は使いません。標準でボーラスする場合、注入速度は1分あたり1.5u、朝食時は12~14単位を食前ボーラスするので、8~10分かかります。この注入に必要な時間を考慮に入れる必要があります。

 

食事を摂って、胃で消化され腸で吸収される時、血糖値上昇のピークとインスリンの作用のピークが重なれば、インスリンが最も効果的に働くはず。そのために、次の2点を変え、朝食を摂るようにしました。

  • デュアルボーラスをやめ、ノーマルでボーラスする
  • ボーラス開始から20分後に食事を始める

9~12日の4回の朝食でこれを行いました。結果は、9~11日の3回は朝食後の血糖値が200以内に収まり、12日は243まで上がった後すぐに下降する、という好成績です。

 

10月9日

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10月10日

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10月11日

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10月12日

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この状況が続けば、朝食後の高血糖が解決できます。

朝食後の高血糖を無くすための、これまでに行ってきたことは必要なことだったし、役立っています。特に、朝食の糖質比がきちんと合っているので、上記2つによる効果につながっています。

時々、基本に戻って自分のやり方を見直すことも大事、と感じています。

⑨突発性難聴と血糖コントロール

入院9日目、退院日。

 

午前中に退院するために、午前6時20分から最後の点滴(プレドニン20mg)がスタート、10時半に終わった。

 

朝食は炭水化物76g、13.3単位をボーラス。

昨日のステロイドの影響が残っているはず。その対応として6.7単位(13.3×50%=6.7)を食べ始める前に追加ボーラス。

9:45で実測105。低血糖を防ぐために、鳩サブレ(19.4g)、豆乳コーヒー(15.2g)、ぶどう糖(4g)を補食しました。帰宅途中にも、ぶどう糖10gを補食。

 

昼食は炭水化物35g、3.5単位をボーラス。

午前中に点滴したステロイドの影響は、昼過ぎから夜に現れるはず。そのため、昼食時に、ステロイド対応として、4.55単位(3.5×1.3=4.55)を追加ボーラスしました。

 

ステロイドの影響による上昇が15時すぎにきた。最初はじわじわと上がるので、気づきにくい。16:〜17時にかけて、0.5〜1単位を5回、合計4単位のボーラス。

 

夕食は、炭水化物を少な目な食事にしました。鯖の西京焼き、レンコン海老挟み揚げ、すまし汁などで炭水化物33g、3.85単位を食前ボーラス。食べ始める前に、ステロイド対応として4.2単位(3.85×1.1=4.24)を追加ボーラス、昨日までの実績をベース、でもステロイドの影響は低いと考えました。結果は、なだらかな変化で推移しました。

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入院中の血糖コントロールは、インスリンを多めに射ち、低血糖が起きる前に補食でカバーする、の形になりました。結果から、このやり方で良かったと感じています。

今回、補食用にいろいろな食べ物を病室に持ち込みました。

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ポンプに表示されている、残存インスリンの単位数を見て、何を食べるかを決めました。

例えば、午前10時に、血糖値105(実測)、残存インスリン3単位強だったので、1単位が炭水化物10gとして、30g以上の補食が必要と考え、『鳩サブレ(19.4g)、豆乳コーヒー(15.2g)、ぶどう糖(4g)』を補食しました。血糖値に速攻性があるぶどう糖と、効果が出るまでに時間がかかるクッキーなどを組み合わせました。

 

1型の発症者にとって、血糖値に影響する治療を受けるための入院は、かなり厳しいと身にしみて感じた9日間でした。

⑧突発性難聴と血糖コントロール

入院8日目、明日予定どおり退院します。

 

9日間の治療フローに従い、退院前日に受ける聴力検査と医師の診察がありました。

担当の医師は、入院前と今日の2つの検査結果のグラフを並べ、「入院前に問題があった左耳の聴力がこのように右耳と同じレベルに回復している」と診断。心底、ホッとしました。

いくつか気がかりな点があり、質問。

医師の回答

  • 再発の可能性はない
  • 右耳が発症することも考えられない
  • 仮に、将来、難聴が起きる場合は別な病気になるだろう

 

ステロイド治療は、昨日と同じプレドニン40mg。

昼までに退院するために、明日の早朝6時から最終ステージのプレドニン20mgを点滴(約5時間)します。

 

今日の血糖コントロール

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朝の部

  • 7:11      実測値 112mg/dL
  • 8:21     朝食 炭水化物 72g、食前ボーラス 12.6単位
  • 8:38     ステロイド対応 3.8単位をボーラス (← 12.6×30%=3.78)
  • 10:00   ポンプ・グルコース値ピーク 272mg/dL
  • 11:35.   グルコース値117mg/dL↓で補食 炭水化物 16g
  • 11:46.   実測値 84mg/dL

 昼の部

  • 12:26    昼食 炭水化物 75g、食前ボーラス 7.5単位
  • 14:25.   点滴終了
  • 15時頃から血糖値上昇 ← ステロイドの影響
  • 15:27.    ポンプ・グルコース値 143mg/dL → 2単位をボーラス
  • 16:32.   ポンプ・グルコース上昇 → 1単位を追加ボーラス
  • 16:45.   ポンプ・グルコース値 189mg/dL → 1単位をボーラス
  • 17:02.   実測値 211mg/dL → 較正実施

 夜の部

  • 18:22.   夕食 炭水化物 73g、食前ボーラス 8.55単位
  • 18:35.   ステロイド対応. 11.5単位を注射
  • 19:33.   ポンプ・グルコース値 262mg/dL↑↑  追加要と判断 → 2単位をボーラス
  • 19:51.   ポンプ・グルコース値ピーク 289mg/dL
  • 21:20.   実測値 178mg/dL → 較正せず
  • 22:30.   ポンプ・グルコース値 115mg/dL、残存インスリン → 補食 炭水化物16g
  • 23:40.   実測値 138mg/dL → 較正実施

 

23:40に実測した138は、この測定した時が血糖値上昇(補食による血糖値上昇のピークでした。これ以降、徐々に下がる見込みで、起床時に100〜120くらいになることが期待値。あとの微調整は、基礎レートの変更で対応します。

これで就寝準備完了。

⑦突発性難聴と血糖コントロール

入院7日目。

 

今日のステロイド治療、プレドニンが40mgに減り、第4ステージ。

 

3日前から、ステロイド対応分の追加インスリンを、注射器でブスッと短時間で注入しています。この効果が数値で分かります。もちろん、注射器の使用だけで効果が出たのではなく、細切れでボーラスするのをやめ、血糖値が高くなる前に、実績をベースに基づいて決めたインスリンをまとめて注入したことが大きな要因であり、注射器(ペンでも同じ)の使用は副次的な効果です。

 

ポンプで分割ボーラスした場合(9/30〜10/3)

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平均グルコース値と標準偏差

  • 9/30     151.4  65.7
  • 10/1   141.5  64.6
  • 10/2   142.9  61.9
  • 10/3   141.6  62.9

血糖値の分布(9/30〜10/3の4日間平均)

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注射器でまとめて注入した場合(10/4〜10/6)

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平均グルコース値と標準偏差

  • 10/4   124.9  47.5
  • 10/5   134.9  43.5
  • 10/6   136.4  49.4

血糖値の分布(10/4〜10/6の3日間平均)f:id:taky5566:20201009114800j:plain

 

 

平均グルコース値と標準偏差の両方とも、大きく改善しています。

9/30の平均グルコース値が151.4と高いのは、治療の初日でステロイドの影響がどのくらいなのかが分からず、ポンプの表示と実測併用で血糖変動をチェックしながり、1単位を基本に30〜60分おきにボーラしたからです。この実績を翌日の血糖コントロールに反映する、さらに2日の結果から3日目のインスリン注入を決める、を繰り返しました。いわゆる、PDCA(Plan計画 → Do実行 → Check評価 → Act改善)を回す考え方です。

 

 

今日の血糖コントロール

 

朝食の炭水化物は77g、インスリン13.5単位を食前にノーマルでボーラス。

食後のステロイド対応は、昨日の実績45%の結果(血糖値ピークが9:40で222、11時ちかくでグルコース値82→補食の炭水化物24gを摂取)を考慮して、朝食のインスリン単位の40%に決め、5.4単位(13.5×0.4=5.4)をボーラスしました。

9時すぎに、基礎レートを上げ忘れていたことに気づき、1単位を追加ボーラスしましたが、これは必要なかったようで、10時半にグルコース値139、3単位以上の残存インスリングルコース↓↓がポンプに表示されました。低血糖を防ぐため、クッキーなどで炭水化物23gの補食を行いました。

昼食前のグルコース値80。

 

昼食はカレー、病院食でカレーははじめての経験。カレー自体の炭水化物は大きくない(経験値15gで判断)が、後上がりするので、食後に2.5単位を追加ボーラスしました。

夕食直前は実測値で82でした。

 

ステロイド治療後の血糖値上昇は起きなかったと思いますが、カレーの後上がり対応でインスリンを増量したことと重なっているので、本当のところは良く分からない。

 

夕食の炭水化物は79g、通常の糖質比で計算したインスリン9.25単位をノーマルでボーラス。

食後、ステロイド対応として、11単位を注射器で入れました。この量は、昨日の実績1.4をベースに、1.2〜1.3が妥当かなと考え、少し弱気に1.2に決めまし(9.25×1.2=11.1)。

21時ころから、200前後を維持して、下がらないので、21時半に1単位をボーラスし、その直後、ちょっと少ないかなと思い直し、0.5単位を追加ました。この0.5が余分でした。

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