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My life with type 1 diabetes.

780Gスマートガード:ボーラスウィザードの不具合と対策(追記あり)

5/06 『現象2の解決と予防』と『感じたこと』を追記

 

780Gのスマートガード機能(AHCL、アドバンス・ハイブリッド・クローズド・ループ)は血糖管理にとても良いと思うが、デメリットもある。

使い始めた直後から問題が起き、メドトロニックとやり取りしてきた。でも、メドトロニックの回答に納得できない点(未解決)も残っている。また、メドトロニックの説明資料にこの現象についての記載が一切無く、ユーザに事前に考慮点などを知らせる姿勢も欠けているようと感じている。

そこで、私が経験したことを、メドトロニックの回答を引用し、私の意見を加えて記事にまとめる(メドトロニックの回答を原文ママ掲載するので長い記事になる)。

なお、メドトロニックは、これらの現象を「セーフボーラス」(回答4、回答5に記載あり)と呼んでいる。

 

目次

 

現象1:食事に必要なインスリン全量が減量されボーラスできない不具合

スマートガードのボーラスウィザードで糖質量を入力したとき、糖質比から計算されたインスリンの全量が『調整』により減量され、ボーラスできない(3/07)。

 

発生時の詳細は次の記事を参照。

taky-t1-life.hatenablog.com

 

この問題をサポートラインに問い合わせたが、「初めて聞く現象で回答できない」と言われ、病院担当のMRに回された。

 

3/12に以下の回答があった(日本メドトロニックの780G担当部門からの回答。以下同じ)

 回答1

スマートガードボーラスは、過去に注入したオート基礎や自動補正のインスリン量、現在のセンサグルコース値(または血糖値)、センサグルコース値の傾き等を考慮した上で、調整のインスリン量を決定します。

過去にインスリン量が多く入っている場合や食後低血糖が予測された場合は、調整によりボーラス量が減量されます。
場合によっては糖質量を増量した場合、調整数でボーラスインスリン量をゼロとして計算する場合もございます。

これは食事ボーラス投与後に発生する低血糖のリスクを避けるため、ボーラスインスリン量を減量し(場合によってはボーラス量をゼロにする)、その後に発生する食事による血糖上昇をオート基礎と自動補正でカバー(対処)する仕組みとなっております。

 

この回答は、私の経験と概ね合致するが、具体的な計算式(システムユーザガイドのP.302〜304に記載されている「付録B:製品仕様」の「ボーラスウィザード機能の仕様」のような内容)、あるいは調整される基準値を知りたい。それらの情報がないと対応・判断が困難と考え、情報提供を求めた。

 

3/13の回答。

 回答2

アルゴリズムに関する基準値や計算式に関しては、開示しておらず誠に申し訳ございません。

また、今回ご指摘頂きました仕様に関してはコールセンターに共有をして、一定の範囲内で今後は回答させて頂く所存でございます。

 

私はアルゴリズムの開示を求めていない。システムユーザガイドのP.302〜304に記載されている計算式はアルゴリズムの範疇に入らない(アルゴリズムではないからマニュアルに記載されている)。

表現を変え、以下を求めた。

  1. 今回の状況が起きる条件
  2. 対応するためのガイドライン

少なくとも2は必須として、3/13に再度リクエストした。

 

4/03にやっと回答が届いた。かなりの日数がかかったのは、米国メドトロニックの技術部門に問い合わせたためと思われる。

 回答3
  1. 今回の状況が起きる条件
    詳細な発生条件については公開、または共有を行っておりませんが、食後の低血糖リスクを最小限にするため、過去のインスリン注入量、CGMの数値と傾きなどを参照しております。
  2. 対応するためのガイドライン
    ボーラス調整で大きな減算があったとしても、過去のインスリン注入量や現在のSG値、これからのSG値のシミュレーションにより計算した値となります。食後の高血糖が発生する場合は、以下を主治医の相談のもと行なってください。
  • 糖質インスリン比の見直し
  • 食前ボーラス(10〜20分前)の検討
  • 食後高血糖が発生する時間帯、食事の種類を特定し、必要に応じてカーボの入力量を検討すること

 

この内容では問題解決や対応の手助けにならない。

これ以上やり取りしても無意味と考え、このテーマ(発生条件とガイドライン)についてやり取りするのを止めた。

 

現象1についての私の対応

この現象は、グルコース値が低く、グルコース変動のトレンド(傾向)が下降しているときに起きるので、次の対応で未然に防止している。

食前ボーラス前に、グルコース値をチェックする

100以下で変動傾向が下降している場合、ブドウ糖を補食する

変動傾向が上昇に転じるまでボーラスを待つ

なお、これが起きる条件は単純ではなく、TDD(一定期間の1日あたりのインスリン総量)と糖質比も関係しているようだ(詳しくは「現象2への対応」で述べる)。

 

また、ボーラス時に全量が減量される現象が起きた場合はブドウ糖を補食してグルコース値が上昇に転じるまで待つようにしている。

例えば

① 昼食(糖質31g)に必要なインスリン3.25単位の全量が減量され、ボーラスできない

 

② すぐにブドウ糖5gを補食

 

③ 23分後、グルコース値が上がったので、インスリン3.25単位の全量をボーラス

 

 

詳しくは次の記事に書いた。

taky-t1-life.hatenablog.com

 

現象2:グルコース値の上昇時に、多量のインスリンが減量される不具合

グルコース値が100mg/dL以上、かつ上昇傾向になっているにもかかわらず、ボーラスウィザードの調整で多量(全量の3割を超える量)のインスリンが減量された。この状態でボーラスして食事を摂れば、間違いなく高血糖になる。

 

実例:

糖質80gの食事を摂るために9.4単位のインスリンが必要。ところが、グルコース値114mg/dLのとき、調整で3.1単位(33%)が減量され、6.3単位しかボーラスできない。

 

グルコース値変動は1時間以上前から上昇している(CSVファイル)

 

4/04朝に起きた現象を、ミニメドモバイル画像のスクショを添付した上で、問い合わせた。

  • 起床時のグルコース値が100mg/dL、30分後109mg/dL、その10分後114mg/dL
  • 食事の20分前に、ボーラスウィザード画面で糖質80gをインプットしたら、以下の調整が生じた(糖質比8.5g/u)
     計算値  9.40u
     調整    -3.00u
     ボーラス 6.40u
  • 起床時の残存インスリンはゼロ
  • オート基礎によるインスリン注入は行われているが、その総量が3単位ものマイナス調整の原因になるとは考え難い

なぜ、これが起きる?

この場合、4/03に受け取った『回答3』の2で示されたガイドラインでは解決できない。また、これは780Gのアルゴリズムに起因しているため、主治医に相談しても適切なアドバイスを得られないと思う。

問い合わせに添付した画像(


4/09に回答が届いた。

 回答4

ご指摘頂いておりますように、オート基礎で過去入ったインスリン量もセーフボーラスの調整で考慮されます。
頂戴した画像の内容ですが、100mg/dLのSG値に上昇のトレンド矢印は確認できませんでした。
また、直近のSG値のグラフを拝見すると下降傾向にも見受けられ、そちらもボーラスの減算に影響を与えている可能性がございます。
システムの計算のもとボーラスを注入して高血糖が発生する場合は、前回のご案内のとおり、糖質の見直しや食前ボーラス、糖質量の上乗せ(高血糖になる食事を特定の上)をご検討頂ければと思います。

 

問い合わせのメールにグルコース値の変動傾向を記載しているが、それを無視して都合の良い解釈にもとづいて回答されている。

さらに、問題にしている現象は、「糖質の見直しや食前ボーラス、糖質量の上乗せ(高血糖になる食事を特定の上)」で解決できないことは明らか。特に、「糖質量の上乗せ(高血糖になる食事を特定の上)」とあるが、『高血糖になる食事を特定の上』は意味不明であり、多くの場合で高血糖インスリン不足(インスリンが効果を発揮するタイミングのズレを含む)で起きる事実を無視し、患者の責任に転嫁する回答と感じた。

 

以下の返信をした。

4/4(木)朝のグルコース値の傾向は明らかに上昇している(画像1)

昨日(4/08)も同じ現象が起きた

  • グルコース値114でボーラス時の調整-3.1u(画像2)
  • 起床まで自動補正ボーラスがない(画像3)
  • グルコース値は上昇している(画像4)

回答4で提示された内容では対応できない

アルゴリズムに欠陥があるように感じている

画像1(4/04 朝のグルコース変動データ)

画像2(必要量9.4uに対して3.1u減量される)


画像3(自動補正ボーラスは発生していない)


画像4(4/08 朝のグルコース変動データ)

 

3日後の4/11に以下の回答があった。

 回答5

オート基礎の注入もセーフボーラス影響します。ポンプが過去に注入したインスリン(基礎、ボーラスともに)を考慮します。
ご提示頂いたデータを見る限りでは、3.1単位の減量にオート基礎が関与しているものと考えられます。

減量させない対処法としては、スマートガードは計算されたインスリン量を注入頂く仕様となっておりますので、任意のインスリン量を注入する場合はマニュアルモードのボーラスウィザードをご使用ください。

 

メドトロニックの回答に全く納得できないため、翌日(4/12)以下を返信をした。

① 3.1単位の減量はオート基礎の影響と結論づけているが、不合理かつ矛盾する

【理由】

  • 基礎注入量は、4〜5時で0.725u、5〜6時で0.675u(画像3から集計)
  • 残存インスリン時間を2時間に設定しているので、ボーラス時のオート基礎による残存インスリンは多く見積もっても1.6単位
  • したがって、オート基礎が3.1単位の減量を起こしたとの説明は納得できない
  • ボーラス画面で入力する糖質量が少ない段階では減量がゼロ、20gを超えたあたりから減量が始まる。基礎の残存インスリン量のみが減量の根拠なら、このような動きにはならないはず(糖質の入力開始時から減量される等)

② マニュアルモードの使用を提案されていることへの疑問

  • この提案はメドトロニックの正式見解と判断するが、スマートガードのアルゴリズムに欠陥があることを暗にメドトロニックが認めていることになる
  • 一方、アルゴリズムが正しいとの前提に立つ場合、(ボーラス時に表示される調整を無視して)減量されないインスリン量をマニュアルモードでボーラスすることになり、極めて危険な低血糖を起こす可能性につながる。これをメドトロニックが推奨していることになる

③ 本質的な解決、あるいは合理的な説明なしで、単純な推論で問題に蓋をする姿勢に見える

 

1週間後の4/19に回答が届いた。

 回答6

いつもお世話になっております。
ご返信内容を拝見し、説明が十分でなく、誤解を招いてしまったかと思い、お詫び申し上げます。
スマートガードボーラスの減量にご懸念をお持ちの状況を伺い、マニュアルモードでの使用を選択肢としてご案内させていただきましたが、推奨の意図はございませんでした。
また、スマートガードボーラスの動作アルゴリズムにおいて、低血糖予防の目的から、結果的にその後に血糖上昇が発生する場合があることは、アルゴリズムの欠陥ではなく、その作動の範囲内と考えております。
しかしながら、スマートガードボーラスの調整での減量は、アルゴリズム(計算方法の全て)を開示しておりませんので、ご納得いただけない状況もあるかもしれませんが、現時点では、これ以上、アルゴリズムに関して開示できる情報がなく申し訳ございません。

改めてではありますが、スマートガードの調整機能は、ポンプがこれまでに得た情報の中で、シミュレーションした結果、食後低血糖リスクを想定した場合にボーラスを減量し、もしその後、グルコース値の上昇が発生した場合は、オート基礎や自動補正で対処する仕様となります。

 

同日に、以下を返信した。

  • 回答を見ましたが、私の質問と貴社の説明が噛み合っていない
    • 不合理な減量が起きる理由を知りたいとは思うが、それが目的ではない
    • どうしたら大幅な減量を回避できるのか、その方法を知りたいが、これについて、何も回答がない
  • 「食後低血糖リスクを想定した場合にボーラスを減量し、もしその後、グルコース値の上昇が発生した場合は、オート基礎や自動補正で対処する仕様となる」を受け入れると
    • 3単位(必要量の30%以上)も減量された場合は間違いなく高血糖になる
    • それを回避するにはどうすれば良いか、を教えて欲しい
  • 下記のとおり、異なる糖質比(8.5と10)を設定してボーラスウィザードを操作した場合、調整される量が異なる(糖質比10の方が8.5よりも少ない減量)。この違いが起きる理由が理解できない
    • 同じタイミングで糖質比を変更(20分前のグルコース値100から上昇し続け、画像の時点で113。これ以降も上昇を続けた)
    • 糖質量78gの食事を摂るために9.2uのボーラス(糖質比8.5g/u)が必要(78g÷8.5≒9.20u)
    • 糖質比8.5g/uの設定で、9.2uをボーラスするために糖質113gを入力→調整で2.9u減量(24%)され、9.20uのボーラスが可能(画像5)
    • 糖質比10g/uの設定で、9.2uをボーラスするために糖質113gを入力→調整で1.1u減量(11%)され、9.20uのボーラスが可能(画像6)

画像5(糖質比8.5g/u)

 

画像6(糖質比10g/u)

 

1週間後の4/26に届いた回答。

 回答7

スマートガード時のボーラス調整で、ボーラス量を減算することを回避する方法についてのご質問を頂いておりますが、インスリンポンプは低血糖になる可能性(あくまでもアルゴリズムによる仮定に基づく)を回避するために減量しており、減算を手動で調整することを想定したシステムではございません。
また、これまでに製造元より減算を手動で調整する情報は得ておりません。
そのため、製造元から新たな情報が得られた場合は、情報提供を行っていく予定にしております。

 

話しが暗礁に乗り上げただけではなく、画像5と画像6についての質問は無視された(恐らく、回答できないのだろう)ので、問い合わせを打ち切った。

 

現象2についての私の対応

画像5と6を比較すると、糖質比を大きくすれば(インスリン1単位に対する糖質量を大きくする)、同じインスリン量のボーラスに対して、調整量が減少することが分かる。

画像5:糖質比8.5g/u  2.9u(24%)の減量

画像6:糖質比10g/u  1.1u(11%)の減量

これがヒントになり、糖質比を変えれば調整される現象が無くなるかもしれないと気づき、以下を決め、4/09から実行した。

私の実際の糖質比は

  • 朝食  8.5g/u
  • 昼食  9.5g/u
  • 夕食  8.5g/u

で、これを朝・夕食の糖質比を10g/uに変更。

昼食はボーラスウィザードの自動計算を使うが、朝食と夕食は、次のように行う。

  1. カーボカウントして糖質量を決める
  2. 実際の糖質比(8.5g/u)からインスリン量(糖質量÷8.5)を電卓で計算する
  3. 計算したインスリン量になるようボーラスウィザードを操作する(基本は、2で計算したインスリン量×10を糖質量として入力)

このような煩わしいことを行い、調整による減量ゼロを目指すのには理由がある。

 

回答1はスマートガートのアルゴリズムがどのように働くかを示す重要な説明。

分かり易く整理して以下に再掲。

ボーラス時に低血糖が予測される場合、780Gのスマートガードボーラスはインスリン量を減量(場合によってはボーラス量をゼロに)する。

インスリン量の調整は

を用いて決定され、

は、調整によりインスリン量が減量される。

状況によっては、糖質量を増量した場合、調整量でボーラスインスリン量をゼロと計算する場合がある。

この減量は、食事ボーラスの投与で生じる低血糖のリスクを避けるためである。減量後、食事による血糖値上昇は

  • オート基礎 および
  • 自動補正ボーラス

でカバーする仕組みとなっている。

 

この回答の末尾に「食事ボーラスが減量された後、食事による血糖値上昇はオート基礎と自動補正ボーラスでカバーされる」とある。これ以降の回答にも、この説明は繰り返えされている。

私は、この説明から、ポンプが減量を記録し(不足分を)オート基礎と自動補正ボーラスでリカバリーする仕組みになっている、と推測している。

 

低血糖になるリスクがないにもかかわらず、食事ボーラス時に30%超のインスリンが減量されると、不要な血糖値上昇が起こり、体に負担をかけることになる。後追いで、食後の血糖値上昇がリカバリーされても、無駄な血糖値上昇が起きた影響は残る。

 

また、カウントした糖質量に上乗せして、食事に必要なインスリン量を強制的にボーラスすれば、食後の高血糖を防ぐことができる。しかし、実態とは異なる減量(ポンプから見ると減量分は食事に必要なインスリンの一部)が記録され、食後の血糖値上昇に応じてオート基礎と自動補正ボーラスが働き、過剰なインスリン投与が行われる可能性があり、低血糖になるリスクが高まる。

 

上記の2つを避けるために、アルゴリズムが本来の形で機能するようにしたい。これが私の考えで、前述の対応を決めた理由。

 

Kathy Leppert氏(FBのPrivate group Medtronic 670G, 770G, 780G Support Groupの管理者)は、昨年後半に、欧米の780GユーザからSafety moduleが働くケースのデータを集め分析している。彼女の分析によると、糖質比が300をTDD(一定期間の1日あたりのインスリン総量)で割った数値を下回る(Agressiveな設定にする)とボーラスウィザードで多量の減量が起きるようだ。

私のTDDは30~33なので、糖質比が9g/u以下にするとこの現象が起きる領域に入るのだろう。

 

4/09に糖質比の設定を変更したが、それでもカウントした糖質量の全量をインプットして一度にボーラスしようとすると調整による多量の減量が起きることが多い。その場合は、1回のボーラスで必要なインスリン全量をカバーしないで、複数回に分けてボーラスした。

  1. 減量ゼロでボーラスできる最大インスリン量でボーラスする
  2. ボーラスが終わったら、即座に不足分のインスリンをボーラスする

この「即座に不足分をボーラスする」はコツで、最初のボーラスが完了したら時間をあけずにボーラスすると、『調整』の機能が働くことなく(減量ゼロを維持して)ボーラスできる。これは、恐らく、ソフトウエアの穴だと思う。

 

現象2の解決と予防

昨日(5/05)のあたりから、朝食と夕食のボーラス時に、セーフボーラス機能(メドトロニックはこの現象を”セーフボーラス”との呼称を用いている)で多量の調整(減量)が表示されない。

 

今朝(5/06)、糖質比を元の設定(8.5g/u)に戻してみた。

セーフボーラスによる多量の調整が無い。以前であれば、3単位くらいの減量が表示される。下図で0.5uの調整は、グルコース値が73mg/dLと目標110mg/dLのギャップを埋めるための調整((110-73)÷インスリン効果値)であり、正常。

 

糖質比を10g/uに変えてから昨日で27日が経ち、それ以前から多量の減量にならないようにボーラスを複数回に分ける工夫をしていた。恐らく、セーフボーラスでSafety moduleが働くアルゴリズムは過去の情報(履歴)が影響する仕組みで、その情報がクリアされるまで続くように見える。履歴は30日間保持されるので、30日の経過で履歴からデータが消えたことで解除されたのかもしれない(推測)。

 

夕食の糖質比を本来の設定(8.5g/u)に戻した。朝食についても、しばらく様子を見てから戻そうと考えている。

 

この現象を解決する手っ取り早い方法は、ポンプ本体を交換することだと思う。そうすれば、真っさらな状態から使用開始できるので、この現象が起こらない。だが、本体の交換は手間がかかるし、デメリットもあるので現実的ではないだろう。また、交換しても、予防しなければ同じ状態になる。

 

セーフボーラスは、ボーラスウイザードで糖質量を入力する際、量の増加に応じて調整による減量が増加する(動画を参照)。

www.youtube.com

 

私の経験から予防策を列記してみる。

  • グルコース値が100mg/dL以下でグルコースの変動が下降しているときは、ボーラスしない(補食して、上昇傾向になるまで待つ)
  • 多量の減量が表示されたときはボーラスを中止する
  • 糖質を上乗せし減量分を打ち消す形で必要なインスリン量をボーラスするのは禁じ手(減量が少ない(全量の10%以内?)場合は可能)
  • インスリン全量が減量される(インスリンがゼロのボーラス)と表示された場合に『ボーラス注入』の選択はダメ
  • 糖質比が小さい(インスリン1単位に対する糖質量)ときは要注意
  • 慣れると無意識にボーラス操作を行うようになるが、毎回、画面をチェックする

このように書くと、かなり面倒に感じる。でも、予防することで得られるメリットが大きいと思う。

 

なお、ここのまとめた内容がどんな人にも当てはまるかは不明。

少なくとも言えることは、これらの現象がすべての780Gユーザで起きるわけではないということ。

Kathy Leppert氏が指摘している、糖質比が300/TDDよりも下回る(1単位に対する糖質量が300/TDDよりも小さくなる)場合に起きる可能性が高まるようだ。

 

感じたこと

現象2はアルゴリズムのバグと考えている。

今回、私が行った対応は、本来不必要なことであり、そのことだけ見ても正常ではない。

 

日本メドトロニックにはアルゴリズムを理解した技術者がいないように感じる。特に、ユーザからポンプ動作についての問い合わせがあったとき、内容を検証する環境を持っていないようだ。そのためか分からないが、問い合わせに対して、ユーザを疑うことからスタートするように見える。命にかかわる医療機器を扱う会社の姿勢として疑問に思う。

 

ポンプのアルゴリズムブラックボックスとして公開しないのは許容できるが、それを言い訳にする説明は受け入れられない。マニュアルに記載されていないポンプ動作について、適切に回答できる体制が必要である。

 

今回の現象について、メドトロニックは、きちんと動作を確認・把握した上で、「セーフボーラス」についてのガイドを出して欲しい。

 

少し辛口な意見を書いたが、改善を期待している。