1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

6月の受信結果と1年を振り返る

昨日は通院日でした。640Gポンプの新しいバージョン(4.11)の使用感を主治医へ報告。ハードウエアとアルゴリズムが改良されていること、(較正のやり方で精度に影響するが)グルコース値とSMBGとの乖離が少なくなったと感じていること、スマートガード起動中に注入再開の条件が変更されていることなどを話しました。

 

HbA1cは前回より0.1下がって6.0でした。これは予想通り。というのは、ポンプのデータ(Carelink Personal)から、グルコース変動が前月よりも安定していることが分かっていたので、少し良くなっているだろうと考えたからです。

 

1年ほど前、『日内の血糖値変動を70~180mg/dLにする』を目標にしました。そう考えた理由は、低血糖高血糖が多いので、それを減らして、血管へのマイナス・ファクター(血糖スパイクなど)を少なくするためです。

下図は、その当時の変動です。

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変動分布は下図です。1ヶ月平均で範囲内(Time-In-Range)は84.4%、70mg/dL以下が8.4%、180mg/dL以上が7.2%でした。高い時は250~300mg/dLでした。

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面白いことに、この時のHbA1cは5.9%で、今より良い数値でしたが、血糖コントロールは今の方が良くなっています。

 

今回の分布は、下図です。

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1年前に比べ、低血糖が大幅に減り、高血糖の頻度も少なくなっています。ポンプに表示される毎日のグルコース値は、概ね、70~200mg/dLに収まり、時々、220mg/dLくらいまで上がる時がある、という感じです。目標に対して70点くらいの合格点と思っています。

 

この1年間、何をしてきたか、少し振り返ってみます。取り組んだ順番(6,7を除く)で列記します。

  1. ポンプのトラブルを無くす。特に、カニューレ関連のトラブル、リザーバの気泡です。カニューレは、昨年の4月ころにシルエットに変更(詳細はここ)しました。これで、カニューレ使用中のトラブルはゼロになりました。気泡については、リザーバの構造を理解して、丁寧に気泡を抜く(詳細はここ)ことで、気泡に悩まされることもほとんどありません。
  2. 脂質による後上がりを防ぐ。これは、失敗した経験を元に、何を食べると後上がりするかを把握できたことが大きいです(詳細はここ)。食べたものとボーラス単位数をメモに書く等の経験をベースに、同じ食事を摂るときは、食後1~2時間後、スクエアでボーラスします。例えば、2日前の昼食にエビフライを食べました。食後2時間に1.5単位を1時間のスクエアでボーラスした結果、ピークが200mg/dLで終わりました。
  3. 食後のグルコース値変動を確認して、食事時のボーラスの過不足を調整する。これは、かなり大事なことです。食事から1時間後、2時間後、3時間後のポンプのグルコース値を確認するように心掛けています。実際は、忙しかったりで忘れたりで、できないことが多いですが、気がついた時にチェックするレベルでOKとしています。2日前の昼食にエビフライを食べた時は、外食だったので、炭水化物量があいまいでしたが、適当にボーラスし、食事から3時間後の血糖値が195mg/dLだったので、追加ボーラス0.5単位の補正で、夕食前には126mg/dLに下がりました。
  4. 食事のボーラスは、デュアル・ボーラスで行う(詳細はここここ)。この効果も大きいと思います。昨年の11月末から、常にこの方法でボーラスしています。外食時は、『なんちゃってデュアル』でボーラスしています。これは、先ず、主食分のインスリンスをノーマルでボーラスします。注文時に『ご飯の量を○g』とお店にリクエストするけどようにしています。それが可能な場合は主食の炭水化物量をきちんと把握できるので、この分のインスリンをノーマルでボーラスします。それができない場合はご飯の量を180と想定して、ノーマルでボーラスします。注文した食事がきて食べ始める時(あるいは食べながら、場合によっては食べ終わってから)、副食分と主食の調整分の炭水化物量を計算します。2日前にエビフライを食べた時は、ライスを180gでお願いしたので、注文直後に炭水化物66gに相当するインスリンをボーラスしました。友人との食事会だったので、食べ終わってから、食事の内容を考え、ポテトサラダが添えられタルタルソースがあったので、副食分の炭水化物を25gと計算し、これに対応するインスリンをスクエアでボーラスしました。これで、デュアル・ボーラスしたことと同じになります。
  5. Super Bolusで血糖値を下げる。食事から2~3時間後くらいでグルコース値が高い状態(例えば160mg/dL前後で下げ止まっている、あるいは、下がるスピードが遅い)ような場合、『基礎の1~2時間分に相当するインスリンをボーラスして、同じ時間の基礎を止める』を行います。この方法はSuper Bolusと呼ばれています。例えば、基礎が0.25u/時間の設定時の2時間分は0.5単位です。この単位数をノーマル・ボーラスして、基礎を2時間停止すれば、インスリン総量に変化がなく、血糖値を早めに下げる効果があります。基礎を止めずに追加ボーラスする場合に比べて低血糖になるリスクが減ります。これも、血糖コントロールに役立っています。
  6. 糖質比(インスリン・カーボ比)を定期的に見直しています。現在の設定は、朝8.8g/単位、昼が9.5g/単位、夕食が7.8g/単位です。
  7. 基礎レートを数ヶ月ごとに見直します。これも重要です。

 

これらが、1年かけて取り組んできたことです。同時に複数のことを行うと、それぞれの効果が分からなくなる(評価できない)ので、なるべく、同時に複数の新しいことをやらないようにしています。

 

デュアル・ボーラスを使い始めて6ヶ月を超えました。デュアルは血糖値の山(スパイク)を低くできるが、平均血糖値を上げる(HbA1cが増える)副作用があるようです。それを、3〜5の取り組みで打ち消し、プラスの効果に変えられたと感じています(下図)。

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