640Gのバージョンアップについて、以下の記事を書きました。
ポンプのバージョンが更新されていた → ここ
640Gバージョン4.11で変わったこと(その1) → ここ
640Gバージョン4.11で変わったこと(その2) → ここ
640Gバージョン4.11で変わったこと(その3) → ここ
今回は、このシリーズの最終回です。
バージョン4.11になって、スマートガードの動きがこれまでとかなり異なる、と感じています。
① スマートガードとボーラス停止の関係が変化した
デュアル・ボーラスしている時、旧バーションでは、スマートガードが起動するグルコース値に達しても、ノーマル・ボーラスが終わるまで注入停止せずにボーラスが継続され、スクエア・ボーラスに移ってからグルコース値の更新タイミングで注入停止しました。これが、4.11では、ノーマル・ボーラス中でも注入停止するようになりました。これは、『低血糖を予防する』とのスマートガードの目的から見れば、本来の姿になったと思います。
私の場合、食事直前の血糖値が80~100mg/dLくらいになっていることが多く、食事用のボーラスは、常にデュアル・ボーラスを使っています。そのため、バージョン4.11のポンプでは、ノーマル・ボーラス開始直後にスマートガードが動き出し、注入停止することが多くなりました。旧バージョンのポンプを使っている時は、ノーマル・ボーラス終了後のスクエア・ボーラス中に注入停止が起きるので、手動でスマートガードを止めて、スクエア・ボーラスをセットし直して対応していました。
4.11のポンプを使い始めた直後、デュアル・ボーラスを始めると、ノーマル・ボーラスが注入停止する不都合が頻発しました。とても面倒なので、時間帯別に『低グルコース設定』を行い、食事の前後1.5時間をスマートガードをオフに変更しました(下図)。
食事を摂る時間が常に同じではないですが、この設定は8割くらいの食事時間をカバーするので、これでほぼ解決です。
② スマートガードの動きが変わった
昨年7月(640Gを使い始めて約1ヶ月後)、スマートガードが動いている間に高血糖になったことがあります。原因は、スマートガードの起動後、グルコース値が反転して上昇しているにもかかわらず、基礎の注入が再開が遅れたためです(下図、詳細はこちら)。
新しいバージョンでは、グルコース値が反転し上昇に転じると、比較的速やかに基礎の注入が再開するようになりました(下図)。
もう一つ、大きく変わったなと感じたことがあります。グルコース値が低下して、スマートガードが動いている間に、グルコース値の変動がなだらかになることがあります。このような場合、バージョン4.11では、スマートガードが停止し、基礎の注入が再開されます。
具体例:グルコース値が
10:34 167 mg/dL
10:39 152
10:44 136
10:49 121
と下降して、10:49にスマートガードが動き、基礎の注入が停止しました。その後グルコース値の低下スピードが落ち、
11:14 112 mg/dL
11:19 112
11:24 113
11:29 111
:
12:04 108
となり、11:30に基礎注入再開になりました(下図)。
旧バーションの約1年の使用中、このような動きは経験していないので、スマートガードのアルゴリズムが変更されていると思います。
今回のバージョンアップで、スマートガードの動きが改良されていると感じていますが、グルコース値が緩く下がり続けているのに基礎の注入が再開された場合もあるので、万能というわけにはいかないですね。
私は、これまでどおり、スマートガードは補助的な位置づけで利用するつもりです。