空ボーラスを行いTDDを調整するのは、やってはいけないことに気づき、止めた。気づいたのは4日前、それ以来行っていない。
問題はオート基礎注入に悪影響を与えること。原因は、血糖値を下げるために使っていないインスリン(空ボーラス)をTDDに加算するので、インスリン効果値が狂う。
インスリン効果値
インスリン効果値(ISF: Insulin Sensitivity Factor)は、1単位のインスリンでどれだけの血糖値を下げることができるかの物差し。
簡便法では、下図のように計算できる。
引用元:
770Gのオートモードは、前日までの6日間のTDDからインスリン効果値が自動的に計算される。そのため、血糖値を下げるために使用されたインスリン単位数とかけ離れた、大幅にかさ上げしたTDDにすると、770Gのアルゴリズムが本来想定するオート基礎注入とは異なる動きになる恐れがある。
オート基礎注入や推奨ボーラスは、グルコース値とインスリン効果値から注入するインスリン量を決めるはずなので、インスリン効果値が狂っていると注入量に影響を与える。その結果、血糖値が下がらない、あるいは低血糖を起こすことになると思う。
また、インスリン効果値は、食事で摂った糖質を処理するためのインスリンではなく、血糖値を下げるためのインスリンになる。オートモードのアルゴリズムはブラックボックスなので、推測するしかないが、フェイク・カーボ(食べていない糖質を摂った)として、血糖値を下げる目的でポンプに架空の糖質量をインプットして補正ボーラスをすると、インスリン効果値に影響を与えるかもしれない。私がフェイク・カーボを使わないのは、この想定が理由の一つ。
770Gを使い始めた当初は、ファントム・カーボ(フェイク・カーボ)を使ったが、数週間後に止めた(詳細は、記事「770Gオートモード中に補正ボーラスする方法」に書いた)。