1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

770GのCGMセンサを安定させて使う工夫

6/24に770Gを使い始めてから5ヶ月ちかくになる。今13個目のCGMセンサを使っている。これまでに12個を使い、148日の日数になるので1個あたり平均12.3日。この間、センサのトラブルがまったくなく、実測との乖離などで困ることもなかった。CGMセンサの使い方に自信を持っている。そこで、私のセンサ使用方法をまとめる。

 

使用実績

センサを再使用して2クール使っている(←自己責任)。

2クール目は、フルに7日使うこともあるが、基本は

  • 新しいセンサの初日は較正とセンサの動きに注意が必要なので、自分のスケジュールに余裕があるときに新しいセンサに交換。そのため2クール目はスケジュール調整のバッファにしている
  • 2クールの後半(3~4日目)でセンサの感度が落ちる(大きく変わる)ことがあるので、そう感じたら交換する

です。その結果、2クールの平均日数は5.3日。

770Gのオートモードを使用する上で、センサグルコース値の精度が大事。3クールまで使おう思えばできるが、その考えはまったくない。

 

センサの事前装着(Marinate)

使用開始の前夜にセンサを装着して、センサのフィラメント(電極)を半日ほど間質液に馴染ませるMarinate(マリネ)を行っている。

MarinateはCold Marinate(単純にセンサを半日ほど間質液に馴染ませる方法)とWarm Marinate(ポンプに未登録のトランスミッタを使ってセンサの初期化を事前に行う方法)の2つの方法がある。640Gの時、Warm Marinateを使っていた(詳細は、「CGMセンサのウォームアップ時間を短縮し安定させる」)。この記事で引用した、下記のTerry L. WittのFB投稿は、ガーディアンセンサ3の使用時の説明。そのため、640Gのエンライトセンサではウォームアップ時間の短縮効果がなかった。

今は不要なトランスミッタがないので、Cold Marinateしかできない。

 

新しいセンサは、前夜、入浴後に上腕の裏に装着した後、翌朝、起床後(朝食前)にトランスミッタの充電→使用開始する。これが私のルーチン。これで、センサ使用の初日に読み取り値(ISIG値)が不安定になるトラブル(正常値よりも低くなる現象)を回避できている。

 

センサの装着部位

メドトロニックが推奨しているセンサの装着部位は

  • 腹部
  • 上腕の裏

の2箇所(下図は「はじめてみよう!リアルタイムCGM」の11ページから引用)。

 

腹部は、体の動きでセンサ装着部の皮膚が動くので、センサのフィラメントに影響を与える可能性が高い。そのため、私は、上腕の裏にセンサを装着している(下の写真の部位)。

   

 

メドトロニックは、センサをしっかりと固定するために、下図のようにテープを2枚貼ることを推奨している(「はじめてみよう!リアルタイムCGM」の15~16ページに明記されている)。センサが装着部位にしっかりと固定されていないと、センサ読み取り値が不安定になる等で、「センサ更新中」や「要センサ交換」などのエラーの原因になるようだ。しかし、2枚目のテープをトランスミッタ上に貼ると、センサを再使用するためにトランスミッタだけを取り外すことができなくなる。私は、2枚目のテープを貼らないでセンサを使っている。

 

私のセンサ装着手順は、

  • 装着部をアルコール綿で拭く(皮膚表面の皮脂を取り除く)
  • サーターでセンサを装着
  • センサ裏のはくり紙を剥がして、センサを腕に密着させる
  • 粘着タブを引き出して伸ばす
  • センサベースにオーバルテープを貼る
  • 粘着タブを元に戻す(粘着タブをセンサコネクタの下に入れる)
  • 自着包帯でセンサを巻く(写真)。写真ではセンサの一部がはみ出ているが、自着包帯でセンサ全体が隠れるように巻く

   

 

テープ貼りは、次のように行い、他者の手を借りずに一人で行っている。

  • テープのはくり紙「1」を剥がす
  • テープの端を持ち、(鏡を見ながら)テープの穴からセンサコネクタが露出するようにかぶせる(テープがしわにならないように注意する)
  • テープの中央部(はくり紙「1」を剥がした粘着部)を指で押さえて、センサにしっかり貼り付ける
  • 片側のはくり紙「2」をゆっくりと引っ張り剥がしながら、腕にテープを密着させ、腕に貼り付ける
  • 同じように、残っているはくり紙「2」を腕に貼り付ける

770Gを使いはじめた頃は、テープ貼りを手助けしてもらっていたが、使い終わったセンサで練習して、上記のテープの貼り方を学習した。一度練習してコツを覚えたあとは、他者の手を借りずに自分でテープを貼れるようになった。

 

自着包帯は、アルケアの2号を使用。

   

くっつく包帯(マツキヨ、スギ薬局、ウエルシアなどの製品)、傷用のパッド、バンドエイドなど、いろいろ試したが、このアルケアの自着包帯が一番使い易い。

楽天で購入。2巻のまとめ買いをしたが、腕に二回りするくらいの長めに切って使うと、2回ほど再利用できるので、コスパも悪くない。item.rakuten.co.jp

 

自着包帯を半日ほど巻いていると、センサのオーバルテープがしっかりと腕に張り付く効果があり、センサをしっかり固定するのに役立っている。

 

寝ている間に(寝相がわるいため剥がれることがないよう、自着包帯の上にアームカバーを着けている。アームカバーは、メルカリのsakuさんのお店で購入(これは、自着包帯用の特注品)。

なお、自着包帯は粘着力が強いので、腕に巻く長さを十分に取れば、アームカバーによる保護は必要ないかもしれない。

   

 

過去の記事「CGMセンサの装着部位と保護カバー」に詳細を書いている。

 

ウォームアップ時間

新しいセンサは、翌日、起床後に使用中のセンサからトランスミッタを外し、充電後、前夜に装着したセンサに接続して使い始める。その際、使用していた古いセンサを剥がさずに体に残している(万が一、新しいセンサが正常に起動しなかった時に再利用するためのバックアップ)。

 

下図はウォームアップ時間の実績データ。

 

再使用時のウォームアップ時間。

 

半日前にセンサを装着してフィラメントを間質液に馴染ませている効果で、ウォームアップ時間が短縮できているようだ(Marinateしない場合の経験がないので推測に過ぎない)。

 

較正の回数とタイミング

センサ使用開始の初日は、較正を4回するようにしている。

 

ウォームアップ完了後の初回較正を行った後、通常、2回目の較正は6時間後になるが、2回目の較正が初回から3時間後に要求されたことが1度あった。このとき、3回目の要較正は12時間後になった。

   

 

3回目の較正からは12時間ごとに要較正になるのが標準だが、6時間ごとに要較正になる場合がある。要較正が6時間ごとになると、その状態が2~3回(使用開始から12~16時間)ほど続く。

 

この較正間隔の変化で突然「要較正」のメッセージが出るのを避けたいこともあり(副次的な理由)、3回目の較正は夕方(夕食前の血糖値が低いとき)または夕食後(食後で血糖値が高いとき)、4回目は寝る前に較正するようにしている。

 

初日に4回較正する主目的は、センサ読み取り値(ISIG値)と実測値の関係を確立すること。較正はISIG値と実際の血糖値を関連づけるために必須で、センサ使用の初日はこの関係が確立していない。血糖値の変動に合わせて、高めと低めで較正するのが望ましい(ただし、Marinateをしないでセンサのフィラメントが間質液に馴染んでいない場合、ISIG値が安定していない状態が起きることがある。その状況で較正頻度を増やすのは逆効果になる恐れがある)。

 

2日目以降は1日の較正頻度は3回を原則にしている(例外的に4回較正することもある)。較正のタイミングを気をつけている。1回目は起床後(朝食前)、2回目は昼食後の血糖値が高いとき(状況によっては、朝食後の血糖値が高いときに較正することもある。その場合は日に4回の較正になる)。3回目は寝る前に必ず実測するので、このタイミングで較正する。

センサの感度が日を経て変わることがあるので、1日に3回較正するのが適切と考えている。

 

640Gのエンライトセンサのときと比べ、較正のアルゴリズムが格段に改善されていると感じている。例えば、640Gでは、血糖値が70以下で較正すると高血糖時のグルコース値表示が実測と乖離するなどの問題があったが、770Gでは問題ない。