1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

私のセンサ使用法(センサの安定化など)

私はセンサを再使用している。当初は医療費を減らすことが目的だったが、今は次の2つが主目的。

  • 再使用時の方がセンサが安定する
  • センサ交換によるトラブルを減らす

これらについての私の考え(観察)をまとめる。

センサの最初の7日間を1クールと呼び、再使用時の次の7日間を2クールとして、述べる。

なお、装着部位、使い方(センサのケア)、較正の仕方などでセンサが影響を受けるので、ここに書くことはあくまでも『私個人の見解』です。

 

センサの初期化による影響

センサ初期化の影響が、新しいセンサの場合と再使用時の場合で異なる。具体的には、初期化後にセンサ読み取り値(ISIG値)が定常状態になるまでの時間が、1クールは長く、2クールは短い。

 

トランスミッタをセンサに接続すると、センサの初期化が始まる。これは、フィラメントに負荷をかけ、塗布されている酵素を間質液に馴染ませ、血糖値の代替指標である間質液の値を電流値(nA ナノアンペア)として読み取れるようにしている。

 

そのため、新しいセンサの使用開始直後は、センサ読み取り値(ISIG値)が安定しないことが多い。

 

下図は、10/7 8:42に「センサ準備開始」のアラーム表示直後のISIG値。8:46の「202.78」はフィラメントに負荷をかける初期化直後の値で、それに続く括弧付きの数値:(324.96)、(434.03)、(32.31)は初期化によるノイズ。

 

この結果、ISIG値が高い状態が続き、半日ほど経つと定常状態に落ち着く。

下図は、初回から9回目の各較正後のISIG値とグルコース値の関係をプロットしたグラフ。青の線は、定常状態のISIG値とグルコース値の関係で、リニア(線形の関係)に変化する。⑥(初回較正から22時間後)~⑩(初回較正から46時間後)はは、ほぼ青の線上にある。

 

センサ初期化による影響が1クールでは長い時間(半日くらい?)続き、これがセンサ使用の初日にポンプのグルコース値が安定しない要因の一つ。

 

センサ再使用時(2クール)でも、ポンプは『新しいセンサ』として処理するので、1クールと同様の初期化が行われるが、1クールとは異なる数値になる。

 

上記の10/7に使用開始したセンサが7日間の使用後、再使用した。下図は、10/14 8:22に「センサ準備開始」のアラーム表示直後(初期化直後)からのISIG値。

 

このケースのISIG値とグルコースの関係のグラフで、初回の較正から6時間ほどで定常状態になった。④(初回較正から11時間後)~⑩(初回較正から48時間後)は、青い線上に並び、ISIG値とグルコース値がきちんと比例関係にある。2クール目は1クールのときと比べ、ISIG値とグルコース値の比例関係が揃っている。これは、1クールよりも安定していることを示している。

1クール目は、12~24時間ほど安定しないが、2クール目では半日くらいで安定する。そのため、再使用時の方が使い易いと感じている。

 

1クール目の不安定な時間帯では、血糖値が低いとき、高いときを選び、4~5回の較正を行うようにしている。翌日(2日目)はセンサが定常状態になっているので、必ず血糖値が高いときと低いときを選び(血糖値の山と谷)較正し、ISIG値とグルコース値の関係を確立させるようにしている。

 

2クールでは、初日からセンサが安定するので、較正が楽になる(初日は3~4回の較正を行うようにしている)。

 

1クールと2クール共に、2日目以降は、1日に較正を3回行うのが、私のルーチン。

センサの不良率

センサ交換時、新しいセンサが問題なく動くかどうかが気になる。そのため、機嫌良く使えているセンサを再使用する方がリスクが少ないと考えている。

 

1年4ヵ月で770Gのセンサを51個使ったが、その中の10個は正常に使えず補償交換となった。割合は約20%。予想以上に多い。

 

トラブルの内容は

  • 較正間隔12時間を待たずに突然「要較正」となり、ISIG値が不安定
  • ISIG履歴にISIG値が記録されない(当然、グルコース値の表示もない)
  • 「要センサ交換」のアラートが表示された
  • 実測からの乖離が大きい
  • 較正時に次回の較正は12時間後と表示されたにもかかわらず、数時間後に較正期限が6時間後に変更され、この変更が続いた。ISIG値も不安定
  • トランスミッタを接続したとき、LEDが点滅しない(ポンプに「センサ接続」のアラートも表示されない)

と多岐にわたる。

不良品の割合が20%は、1箱に5個入っているセンサのうち1個不良品があることになるが、実際はロットによる偏在があるので、そうはならない。上記の不良品をロットで見ると、5個は異なるロット、他の5個は2つのロットに集中していた。

 

620G/640Gのエンライトセンサではどうだったか、比較のために同様の集計をした。

約5年間で190個使用し、不良品として補償交換になったのは9個で割合は10%。

 

770Gのガーディアンセンサ3は、エンライトセンサの倍の不良品があるが、これは製品の品質が劣化したためではなく、770GのHCLアルゴリズムがセンサに求める精度を厳しくしていることが背景と思う。オートモードはインスリンの自動注入をセンサのグルコース値に基づいて行うため、常にセンサの状態がモニターされ、状況に応じて『センサ更新中』『要センサ交換』などのアラートを出す仕組みになっている。

 

センサ使用の実績

770Gで40個のガーディアンセンサ3を再使用した。センサあたりの使用日数は平均11日、最長14日。

 

センサは3クール使用できる可能性があるが、私は2クールを限度にしている。2クールの途中でセンサの感度が低下(劣化)することもあるので、定期的にISIG履歴を確認して、数値変化に異常を感じたらセンサを交換するようにしている。

 

皮膚への影響

センサは上腕裏に装着している。左右の腕を交互に使っているが、2クール使用すると皮膚への負担が大きい。そのため、ベリッとセンサを剥がすと皮膚にダメージを与え、テープ跡がミミズ腫れになった。それを避けるため、3Mのキャビロン(剥離剤)を使い、そうっと剥がすようにしている。

さらに、センサを剥がした後、皮膚のダメージを回復させるために、皮膚科で処方してもらったステロイド剤(アンテベート軟膏)を塗っている。