センサの信号が途切れてポンプにグルコース値が表示されないトラブルが起き、トランスミッタを交換した。
トラブルが起き始めた初期は原因が分からず、しばらく待つと回復するので、たいした問題と考えず放置した。ところが、徐々に発生頻度が増えるようになった。ポンプ(770G)使用開始から11ヶ月ちかくになるのでトランスミッタの劣化が原因かもしれない、それが原因なら新しいトランスミッタの購入を通院先の病院にお願いする必要がある考え、サポートラインに電話して相談した。
トランスミッタに添付されている説明書の101頁の製品仕様に、「トランスミッタの予想寿命は1年」と記載されている。
サポートラインでは判断できないとの返答で、セカンド・サポートにまわされメドトロニック担当者と会話した。その結果、トランスミッタが原因の可能性が高いので交換することが決まった。
交換後1週間以上が経ち、同様のトラブルは起きていない。
センサの信号が途切れる現象
最初にトラブルに気がついたのは、ポンプの画面にグルコース値が表示されずに、オートモードの「シールド」がグレーになっていたこと。
ステータスアイコンのアンテナマークが×で信号が途切れていることを示していた(下図はセンサ信号が回復過程の状態)。
このとき、トレンドグラフではグルコース値が欠落。
ISIG履歴でも、センサ読み取り値が欠落。
当然、オートモード準備状況は「センサ準備未了」。そのため、オート基礎注入も正常動作していない(セーフ基礎注入に移行中)。
しばらくすると、センサ信号が回復し、欠落していた読み取り値とグルコース値が表示される。
自然に回復するので、最初はあまり気にしていなかったが、徐々にセンサ信号が中断する頻度が増え、5月になると、毎日2~3回起きるようになった(ポンプの画面を常に見ているわけではないので気づいた範囲)。
「センサ信号中断」のアラートが発生
アラーム履歴に「センサ信号中断」が記録されていた。
5/13(土)にトランスミッタを交換したが、交換前までの5月の11日間で4回のアラートが記録されていた。
5/1(月)
5/3(水)
5/8(月)
5/12(金)
保存しているCSVファイルから過去のアラート発生を調べると
- 2月 2回
- 3月 4回
- 4月 7回
- 5月 4回(11日間なので1ヶ月換算で12回)
で、増えている。
「センサ信号中断」のアラートは、『ポンプがグルコースデータを30分以上受信しなかった場合は、センサ信号中断アラートが発生します。』(システム・ユーザガイド231頁)なので、セーフ基礎注入が30分以上行われる。
そのため、次の心配がある。
トランスミッタの動作範囲
ポンプとトランスミッタの距離は「障害物がない場所で最大1.8メートル以内」となっている。
日中は、ポンプを腰のベルトにクリップで留めている。トランスミッタは上腕の裏にあるので、1.8メートルを超えることがあり得ない。
就寝中は、ポンプを体の横(腕の脇、あるいは腰周辺)に置いているので、1.8メートル以内。
トランスミッタの保証期間
トランスミッタの保証期間は1年で、使用開始日をメドトロニックが記録している。
私の場合、昨年6月24日に使用開始したので、トラブルを報告した5月8日は使用開始から約10ヶ月半なので、無償交換となった。今回、新しいトランスミッタに交換されたが、交換で保証期間が新たにカウントされるのではなく、元のトランスミッタの保証期間が生きていて、6月24日で終わる(過去にトランスミッタの交換後、メドトロニックから保証期間が切れている旨を言われたことがある)。
トランスミッタの交換
今回のトラブルは、トランスミッタの交換で解決した。770GのHCL(ハイブリッド・クローズド・ループ)では、5分ごとにセンサからきちんとグルコース値が受信されることが前提であり、大事になる前に解決できた。
トランスミッタ使用で、以下を注意している。
- トランスミッタは消耗品である
- 不具合を感じたら早めに交換する
- トランスミッタは通院先の病院が所有している
- 保証期間は使用開始から1年
- 交換が必要な場合
- 保証期間内ならメドトロニックが無償で提供する
- 保証期間を過ぎているときは主治医に依頼する
- 保証期間を保つようにすれば、メドトロニックが対応してくれる
今回のトラブル経験を活かして、毎日、前日のアラーム履歴をチェックしている。そうすれば、ポンプ使用中に気づかずに起きた問題を把握できるので、不意のトラブルを防げる。
なお、ポンプ使用の保険点に、SAP使用(トランスミッタ使用)の保険点数740点が含まれている(ポンプ本体の保険点数は2500点)。