前回の記事(「糖質比の調整と眠前の高血糖への対応」)で、770Gへ移行後、朝食後に高血糖値が起きるので糖質比を見直したことを書いた。
以前(640G)は問題なかったのに770Gで何が変わったかを考えてみた。思い当たることは、オートモードの仕組みが影響している。
朝食後に高血糖になる理由(仮説)
オートモードは
- 就寝中に血糖値が低いとオート基礎で注入されるインスリン量が極めて少ない(DKAを防ぐレベルのインスリンが注入)
- ミールボーラス後の1時間ほどはオート基礎注入が停止する(残存インスリンとの関係で決まる)
となるので、朝食前後の時間帯で、本来必要な基礎(ベーサル)が不足して高血糖値が起きていると考えた。
この視点で、オート基礎で注入されたインスリン量を確認した。
基礎インスリンの必要量
マニュアルモード時に使う基礎レートは、午前3時から10時まで、0.3~0.5単位/時にしている(640Gの時から変更なし)。午前3時から7時までは約2単位のインスリンを注入するように設定している。
これと比べて、オート基礎がどの程度のインスリンを注入できているかがポイント。
朝食後の高血糖を分析
午前3時から7時までにオート基礎で注入されたインスリンは0.35単位だった。朝食後のピークは263mg/dL(実測)の高血糖。朝食のミールボーラスから約1時間、オート基礎注入が止まっている。
基礎に相当するインスリンが不足していることが明らか。
改善策
改善策として、起床後に1単位をボーラスすることにした。無条件にこれを行うのではなく、起床後に就寝中のオート基礎をサクッとチェックして、インスリンが足りていないと感じたら、インスリンの作用発現時間を考慮して朝食を食べ始める30分以上前に、1単位をボーラする。
9/4(日)
起きてルーチンをこなしてから、1単位をボーラスした(オートモードOFF⇒1単位ボーラス⇒オートモードON⇒血糖値入力⇒オートモード)。
この日はセンサ交換日だったので、センサ準備中はセーフ基礎注入が働いている。ピークが200くらいだったので、まあまあの結果。
9/5(月)
午前4時前に低血糖のアラーム(70mg/dL)が鳴り、ブドウ糖5gを補食。
午前3時から7時までの注入が少なかったので、午前7時すぎに1単位をボーラス。事情があって、ミールボーラス後すぐに朝食を食べたので血糖値が高め(実測219mg/dL)になったが、1単位をボーラスした効果があったようだ。
昼前に低血糖になった。糖質比を少し戻す必要がありそうだ。
9/6(火)
対策を始めて3日目。
一昨日と昨日はピークが200を超えたので、もう少し増やして影響を見るため、今朝は1.5単位をボーラスした。この量が良さそうに感じる。
ただ、低血糖に向かったので補食している。明日から朝食の糖質比を6.8g/uに変える予定。
まとめ
基礎は大事で、これがきちんと入らないと高血糖になる。でも、770Gのオートモードは、基礎のインスリンと糖質用のインスリンを一体でコントロールする仕組みのため、基礎インスリンを指定できない。対策として、基礎相当分のインスリンを事前にボーラスするのが良さそうに思う。特に、起床後は自然に血糖値が上がることが多いので要注意。770Gでは、基礎インスリンの考えが曖昧になっているが、きちんと自分の基礎レートを把握することも重要。
朝食用の糖質比を7.2⇒6.5⇒6.0g/uと変更したが、これは不要だったかもしれない。