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770GのHCLアルゴリズムを調べる

ミニメド770GのHCL(ハイブリッドクローズドループ)のアルゴリズムを詳しく知りたいと思い、ネットを探したら良い資料が見つかりました。

  PROTOCOL FOR HYBRID CLOSED LOOP TECHNOLOGY

オーストラリア🇦🇺のメドトロニックが発行した医療従事者向け MiniMed 670Gの技術説明資料です。770GのHCLは670GのHCLと同じアルゴリズムなので、とても参考になります。

 

他に、レポート「Exploration of the Performance of a Hybrid Closed Loop Insulin Delivery Algorithm That Includes Insulin Delivery Limits Designed to Protect Against Hypoglycemia」を見つけたけど、こちらは未読です。

 

いつもはタブレットで読むだけで紙で持たないのですが、とても参考になる内容なので、いつでも参照できるようにするためプリントアウトしました。

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MiniMed 770G システムユーザガイドを読みましたが、770GのHCLについて知りたいと思っていることの大部分は掲載されていない。それだけではなく、後述しますが、この日本語版は、日本語として意味不明な記述も多く、「!?」との印象です。

 

私が知りたいことは

  • 「オートモードを開始する少なくとも3~7日前にポンプの使用を開始しましょう」の見出しで「ポンプは2~6日間の注入履歴をもとに基礎インスリン調整の計算をします。ポンプに十分な注入履歴を学習させてから使用を開始しましょう。」(はじめてみよう!ハイブリッドクローズドループの16ページ)とあるが、ポンプ注入履歴の何を学習するのか、学習するとは具体的に何をするのか?
  • オート基礎は、どのようにインスリン注入量を決めるのか?
  • オートモードに影響を与えるポンプの設定項目は何か(使用者がオートモードの調整を行える範囲は何か)?
  • 脂質やタンパク質(糖質以外)の血糖値上昇について、オートモードはどのように対応できるのか(オート基礎注入でカバーできない部分への対応)?
  • ボーラス推奨による補正ボーラスは、血糖コントロールにどの程度役立つのか?
  • オートモードでは、デユアルとスクエアが使えないが、今までと同等の血糖コントロールを行えるのか?
  • セーフ基礎注入の『最小基礎注入レート』と『最大基礎注入レート』はどのように決まるのか?
  • 日中はマニュアルモード、就寝中はオートモードのように使うことが可能か?

など。

 

PROTOCOL FOR HYBRID CLOSED LOOP TECHNOLOGYをじっくり読み、これらの大部分についての情報あるいはヒントが得られました。そして、私の結論は、これなら770Gのオートモードを使う意味がある、です。もちろん(予想通り)、単純にオートモードにするだけではダメで、幾つかの工夫(裏技的な対応)を行う必要があります。まだ770Gに移行していないので、実機に触れて確認するのはこれからですが・・・

 

ところで、日本語版の「MiniMed 770G システムユーザガイド」を読んで感じたこと。このマニュアルの原典は「MiniMed 770G SYSTEM USER GUIDE」ですが、日本語として?があります。

例えば、230ページに記載されている、オートモード中にセーフ基礎に切り替わる条件の1つとして「センサが実際の血糖値より低値を示している可能性がある場合」を理解できませんでした。ポンプが自動的に「実際の血糖値」を知ることができる訳が無いし、これがどんな場合を指すのか不明。

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原典の英語版229ページでは、"Your sensor might be reading lower values than your actual glucose values."であり、「センサ読み取り値が実際のグルコース値よりも低い可能性がある」との意味で、「実際のグルコース値」は間質液の値になるのだから、ISIG値が異常に低い場合のことを指していると分かりました。

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このような重要な部分は、分かり易い(正しい)表現にして欲しいですね。