1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

センサ・グルコース値の誤差を減らす

1年半以上前に「上手な較正で、ポンプ/SAPのグルコース値の精度を上げる」で、CGMセンサの較正について書きましたが、かなり以前から較正方法を変えています。どうすればポンプに表示されるグルコース値の誤差を減らせるかを試行錯誤して、較正方法を工夫した結果で、今の方法で誤差が減らせていると感じています。

 

CGMセンサで注意していることは、

  1. 新しいエンライト・センサを使い始める時は、半日以上前にセンサを留置する。センサの電極を間質液に馴染ませる効果があり、新しいセンサの使用開始直後の不安定(誤差)が減ります。
  2. 較正するタイミングの工夫と、較正する頻度(回数)を減らすことで、誤差が減る。

の2つ。

 

新しいセンサを使い始める時、14時間前を目安に、事前に体に留置しています。これで、センサ使用開始直後からグルコース値の表示が安定します。詳細は「センサ使用開始時のグルコース値不安定を防ぐ(1)」に書きました。なお、センサを留置している部位はお尻です(詳細は「CGMセンサの装着部位と再利用」)。

 

今回は、誤差を減らすための較正方法(個人的な経験)について書きます。

 

半年くらい前まで、SMBGで測定する都度、常に較正していました。較正の頻度を増やせば表示されるグルコース値の精度が上がるとも考えたので。

でも、あるとき、気がつきましたことがあります。それは、SMBGにも誤差があること、センサ読み取り値(ISIG値)が波を打つように短時間で上下に振れる等の変動が起きる場合があること、そういう状態で較正すれば、センサ・グルコース値の精度に大きく影響します。

 

そこで、較正の回数を減らしました。較正回数を最小限(1日に2回のみ)も試しました。これで精度が悪くなることもなかったので、センサ・グルコース値が機嫌良く表示されている(誤差が少ない)時は、較正しない方が良い訳です。SMBGで測定して、較正しない場合は、イベントマーカの『血糖値』で入力して、記録のみを行っています。

 

初回較正から6時間以内に行う2回目の較正は、なるべく6時間後に近づける

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充電したトランスミッタをエンライト・センサに接続すると準備中(Sensor Warm-up)が表示されます。この時、ポンプからエンライト・センサに信号が送られ、体に刺さっている電極に負荷がかけられ、電極に塗布されている酵素を間質液に馴染ませる処理が行われているようです。その影響で、初回較正から6時間くらいの間、センサ読み取り値(ISIG値)が定常状態よりも高くなります。これは、時間経過で徐々に定常状態に収斂するので、この読み取り値が高い状態に較正すると誤差につながると感じています。

それを避けるために、2回目の較正は初回較正から6時間に近づけるようにしています。そうは言っても、きっちり6時間にはできないので、初回較正から5時間以上経ってから較正する、を目標にしています。

 

起床直後は較正しない

起床直後に、必ずSMBGで実測しています。この時に較正すると、血糖値が上昇してもセンサ・グルコース値が実際よりも低く表示されることが頻繁にありました。なぜ、そうなるのか、原因は、

  • 起床時は血糖値が低い(80mg/dL以下)場合が多い(血糖値が低い時に較正すると誤差が大きい→後で詳しく書きます)
  • 『センサ・グルコース値は実測値よりも10~15分ほど遅れる』がSAPの特性です(血液中のグルコース状態が間質液に反映されるまでに10~15分ほどかかるため)。この遅れ時間の間に、ISIG値が実測値とは逆方向に変化することがある

のようです。

起床直後の実測値で較正するのを止めました。

 

血糖値が低い時は較正しない 

低血糖の時に較正すると、センサ・グルコース値の誤差が大きくなることが頻発していました。原因は、低血糖時のセンサ読み取り値(ISIG値)の変動が大きいことが、ポンプのグルコースを計算するアルゴリズムに影響するような気がしています。

次のルールを決め、較正しています。

  • SMBG実測値が70mg/dL以下の場合は較正しない
  • 80mg/dL以下の場合はなるべく較正しない(状況によって較正することがある)

 

較正するタイミングを工夫する(血糖値の振れ幅をインプットすることを考える)

 私の血糖値は、日常的に、70~220mg/dLくらいの幅で変動しています。この変動幅の下と上で較正するように心掛けています(これはとても重要で、理由は「センサ・グルコース値の較正」の記事を参照)。具体的には、下は90~100の間、上は200前後で較正することを目指しています。でも、この血糖値をピンポイントで狙うのは無理なので、較正するタイミングを次のようにしています。

  • 朝食から1時間後くらいに較正する(この時、200前後になる確立が高い)
  • 午後3~5時くらいの間で、測定できるタイミングで較正する(血糖値が100前後になっていることが多い)
  • 就寝する1時間くらい前に実測して、較正する(就寝時に130を目指しているので、その時の血糖値に応じて、補食、あるいは追加ボーラスを考える)

下図の赤丸で較正を行っています。青丸は実測しているが較正していません(イベントマーカに登録)。

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SMBG実測値に誤差があることを認識する

 SMBGの実測値が必ずしも正しい血糖値を示していないことがあります。そのような実測値を使って較正すると、センサ・グルコース値の誤差に直結します。

ポンプのユーザーガイド(185頁)に注意書きが掲載されています。

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それを避けるため、実測値がセンサ・グルコース値とかけ離れている場合、血糖測定器で測り直すようにしています。測り直す場合、血糖測定器のチップを差し替えて、同じ血で測定します。それでも、おかしいと感じる場合、別な指をパッチンして、もう1回測ります。