1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

1年で血糖値変動がどう変わったの?

血糖値の変動を数値で評価する」と「血糖値変動を平均値と標準偏差で把握する」の記事で、血糖値変動を平均値と標準偏差で捉えることで、変動の大きさ(影響度)が評価できることを書きました。

そこで思いついたのが、ポンプを使用する前と現在を比較することです。この比較で、ポンプの効果や、HbA1cとの関連を数値で説明できるのでは、と考えました。

幸い、リブレのデータをパソコンに保存していたことが役立ちました。

 

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上図は、発症から現在までのHbA1cの変遷です。このA、B、Cの期間の平均値と標準偏差を比較します。AとBはリブレのデータから計算しました。Cはポンプの履歴の値です。

       

項目 A(8/1~31) B(1/28~2/11) C(7/24~8/23)
グルコース平均値 110mg/dL 133mg/dL 128mg/dL 
グルコース標準偏差 43.9 64.6 37.2

 

ポンプの導入前の6月からHbA1cが徐々に改善しています。この改善は12月で底を打ち、その後、上昇に転じています。今まで、この理由について、追加打ちに慣れ、高血糖を減らしたことが改善につながったと、感覚的には理解していましたが、数値での把握はできていません。

 

Aの平均値が110mg/dLで標準偏差が43.9ということは、低血糖がかなりの頻度で起きていることを示しています。標準偏差から平均的な変動が110±43.9になるので、下の血糖値は66(110-44=66)をもっと下回っています。低血糖が多く、平均値が110と低いので、HbA1cは良くなったわけです。この状態は、ポンプの導入後も続いていたばずです。そう判断する理由は、ポンプ導入後の3か月くらいは、ペンで行っていたことを、単純にポンプに置き換えたからです。そのため、ポンプに切り換えた後も、低血糖がかなりの頻度で起きていました。

 

今年の1~2月は、ポンプのトラブルが多かったこともあり、B(1/28~2/11)の14日間の平均値が133mg/dLで、標準偏差が64.6でした。これは、血糖値が乱高下していたことを示しています。

 

そして、現在(直近の30日間)は、平均値が128mg/dLで、標準偏差が37.2です。

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この数ヶ月、低血糖を減らすようにしているので、当然、平均値が高くなりました。同時に、血糖値が200mg/dLを越えない努力(儚い努力?)もしています。この結果、高い時で、250~260mg/dLに抑えられています。このために行ってきたことは、

  • 食事と無関係に血糖値が高くなる問題を基礎の調整で解消できた
  • 食事開始の15分ほど前にインスリンを打つことで高血糖を減らした
  • 食後のグルコース値の変動に応じて、30分ほどの間隔で0.5単位くらいの小刻みな追加打ちで血糖値をコントロールできている

です。今は、低血糖の発生がほとんどなく、時々起きる、200mg/dL超えを除けば、安定している状態です。この状態を維持し続けたいと考えています。

 今回の整理で、平均値と標準偏差のペアで血糖値を見ることの必要性を感じています。

 

なお、ポンプ/SAPで平均値と標準偏差を考える上で忘れてはいけないことは、CGMセンサが表示するグルコース値の精度を保つことです。較正を適切に行い、グルコース値の精度を維持する(SMBGからの乖離を少なくする)ことが、平均値と標準偏差を管理指標として使う前提になると思います。

 

私は、試行錯誤で較正の仕方を工夫した結果、ポンプのグルコース値が、SMBG測定値から大きく乖離することが無くなりました。平均すると、ポンプのグルコース値がSMBG測定値に対して±5~6%くらいの範囲に入っています。

ポンプを使い始めた頃、較正エラーが頻発して嫌になりましたが、今は昔の話しになりました。でも、トラブルは忘れた頃にやって来るのも事実なので、慢心はダメですね。