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640Gの閉塞検出トラブル(原因)

640Gの閉塞検出トラブル」の記事で書いたトラブルの原因についてまとめます。

 

インスリン注入遮断は、急速注入を使用したことが直接的な原因でした。このトラブルが起きた後に、注入速度を「標準」に戻すと、注入遮断とならず、正常にボーラスできました(トラブル発生直後に設定を変更し、確認済み)。これば、カニューレが閉塞状態になっていないことを示しています。

 

次の疑問は、標準(1.5u/分)と急速(15u/分)で、何故この違いが生じるのか、です。

 

メドトロニックの担当者は、システムユーザガイドの256頁(下図の赤線)を引用して、「標準では2.23単位で閉塞となるが、急速では1.97単位で閉塞が発生します。」との説明でしたが、この説明に納得できません。

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256頁の説明は、急速でのボーラス時、「閉塞アラームが発生するのは、注入できなかったインスリン平均で1.97単位(急速ボーラス)となった場合」と記載されていますが、閉塞が起きる理由が分かりません。

 

そこで、英文の説明書を確認しました。

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英語版は、日本語の説明書とは微妙に表現が異なり、「閉塞のアラームは、注入できないインスリン量が平均1.97単位(急速ボーラス)に達した時に発生する」(上図の赤線)です。

 

さらに、日本語と英語を見比べると、説明文の下に掲載されている表に違和感があります。日本語版では、「アラーム前最短時間」「アラーム前平均時間」「アラーム前最長時間」となっていますが、英文のこの部分は、"Minimum time before alarm"、"Average time before alarm"、"Maximum time before alarm"となっています。日本語版は、"before"を単純に「前」と訳してしますが、この時間は何を指すのか意味が分かり難いですね。この部分は、10単位のボーラスを行った場合の、閉塞検出までの時間(最短、平均、最長)を示していると思います。

 

また、英文の"This table shows occlusion detection for four diffrent situation"(青線)を、日本語は、「以下の表で、・・・4種類の状況を例に挙げ、閉塞検出について説明します」を訳していますが、「・・・4つの異なる状況における閉塞検出について、以下の表で示します」と記載すべきでしょう。

 

上記の私なりの理解を踏まえ、メドトロニックの担当者に次の質問をしました。質問した理由は、ポンプは医療機器なので、今回の原因を正しく把握したいとの思いです。 

閉塞アラームの発生は、標準の場合は注入できないインスリン量が平均2.23単位とあり、10倍でボーラスする急速の場合は平均1.97単位と記載されている。

標準よりも10倍の速度でボーラスする急速の場合の方が、注入できないインスリン量が少ないということは、閉塞を検知する圧力センサーの値(あるいは、ポンプのモーターの抵抗値)が、標準と急速で異なると思うが、この理解で良いか? 

 メドトロニックの回答は「標準と急速で閉塞を検知する値が異なる」で、私の推定を裏付けました。

 

この回答から、私は、「急速」でボーラスすると、カニューレ閉塞を判断する感度が上がり、わずかなカニューレの変化で閉塞アラートが出ることになる(閉塞検出の頻度が増える)と考えています。ただ、これは単純にな問題ではなく、体に刺しているカニューレが、時間経過で体内の脂肪に包まれること(閉塞が起きつつある)との複合要因と思います。

 

ところで、ポンプに閉塞アラームが表示された場合、メニューの「履歴」で何単位までボーラスされたかを確認し、不足分を追加ボーラスします。

今日の昼食で7単位のボーラス(急速)をしようとしたところ、閉塞アラームでボーラスが中断しました。履歴を確認すると1.9単位が注入されていたので、不足分の5.1単位を標準速度で追加ボーラスしました。しかし、食事後、血糖値が高い状態(200mg/dL前後)が続き、3回に渡り合計1.8単位のインスリン量を追加ボーラスしました。これは、閉塞が検出された時に、1.9単位中、何単位(1.9単位の全量?)かが実際は注入されていなかったのだろうと思います。

 

閉塞アラームが出て、ボーラスが中断した場合は、血糖値の変動に注意が必要であると、認識を新たにしました。