残存インスリン時間(AIT)を2時間15分に変更して約7週間が経った。ヘモグロビンA1cは、前回診察(12/26)の6.2%から+0.2%増えて6.4%になったが、就寝中の低血糖が減ったので結果に満足している。
目次
AITの変更前後を比較
1/09の記事(↓)で、残存インスリン時間(AIT)の変更前・変更後を比較したデータを載せたが、環境の一部が異なることと、期間が短かいこと、の2つの課題がある。
同じ環境の30日間で比較する。
- スマートガード目標 120mg/dL
- インスリン製剤 リスプロBS(ヒューマログと同等)
- 比較日数 30日
- 生活リズムが同じ条件で比較するために曜日を合わせる
- 比較期間 変更前:11/23(土)~12/22(日)、変更後:1/25(土)~2/23(日)
30日間の時間別の変動。
上下の”ひげ”は最高値と最低値を、黄色の箱は25%~中央値、緑の箱は中央値~75%を示す

Before/Afterで、就寝中のグルコース値がどのように変わったかを把握するために、0時台~6時台の部分を拡大する。


最小値は50から58に上がり、下位四分位(Quartile 25%)は77から83.5に、中央値は85から93に改善した。
グルコース変動の全体が上に押し上げられている。期間全体で見ると、TIRは86.2%から88.4%に若干の改善、グルコース平均値は124.2が124.7に微増したが、標準偏差が41.6だったのが37.5に減少した。
就寝中の血糖値が安定
就寝中に低血糖のアラームで目覚めて補食する頻度が減った。寝ている間、ほぼフラットに推移することが増えた。
下図は2/23夜~2/24朝のグルコース変動。寝る前(0:40)にグルコース値が113mg/dLだったので、ブドウ糖5gを補食してから寝た。スマートガードの恩恵を感じている。

ヘモグロビンA1cへの影響
2/20の定期通院で受けた血液検査のHbA1cは6.4%、前回(12/26)の6.2%から+0.2%の増加。
増加した原因は
の2つと考えているが、残存インスリン時間の変更がどの程度影響したのかは不明。次回の受診時の検査結果を見れば、ある程度の判断ができるかもしれない。
まとめ
1/05に残存インスリン時間を2時間15分に変更した後、1/18にスマートガード目標を110に変えたが、5日後の1/24から120に戻した。これには2つの理由がある。
- スマートガード目標の血糖値への影響は小さい
- 短期間に設定変更を複数行うと、何が影響したのかを判別し難い
780Gのスマートガード目標はアルゴリズムが血糖値の目標として使用される、しかし、血糖値が目標に達してもその状態を維持する効果は少ないと感じている。実際、目標を110に設定しても、120との違いはほとんど無かった。
約1年前(3/1)の780G使用開始時はスマートガード目標は100、8日後(3/9)に110に変更、7ヵ月後(10/5)に120に変えた(詳細は「780G:スマートガード目標を変更」を参照)。この経験で、スマートガード目標は低血糖の減少にはあまり効果がないと考えている。
今回の狙いは、就寝前の補食を減らすこと、および就寝中の血糖値を安定させること。この観点で、今回の残存インスリン時間の変更は狙い通りの効果を発揮している。
ポンプを使う上で、期待どおりにならないとポンプの設定を変更したくなるが、変更する場合は、次のことを気をつけている。
- 同時に複数の設定を変更しない
- 一度に大きな変更を行わない(例えば、AITなら15分づつ変更して効果を観察(確認)する)
- 変更したら、最低1週間は様子を見る
- できれば、1ヵ月くらいのスパンで状況を評価する
スマートガードのパラメータ(インスリン効果値、オート基礎レート等)は、午前0時に直近6日間のTDD(1日のインスリン総量)から計算され、アルゴリズムに反映されるので、最低1週間は設定変更による影響を見る必要がある。