バージョン4.11のポンプを10日間使用して、アルゴリズムが変更されていると感じています。アルゴリズムがどのように変わったのか、具体的なことは分かりません。でも、推測の域を出ませんが、バージョン・アップ(2→4)によりアルゴリズムの改良が行われているようです。
私は感じた(経験した)変更は、
- センサの較正、グルコースの表示
- スマートガード
の2点です。これらについて、2回に分けて記事を書こうと思います。今回は、センサ較正とグルコース表示についてです。
① グルコース値の欠落時、センサ較正機能が停止する
メドトロニックの説明によれば、『グルコース値なし』のアラーム表示が『較正を行わないでください。センサ更新中...』に変更された、ということです。でも、この変更は、単にメッセージを変えただけではなく、(グルコース値が計算できない場合)較正ができないように変更しているのだと思います。
下図は、メッセージの変更内容です。
上図(右)は、ISIG値が38.79→27.88と5分間で10以上変動して(下図)、グルコース値が算出されていません。このような状態が起きると、このアラームが表示されます。
水曜日の朝、起床後に血糖値を測定して較正しようとしましたが、『センサ較正』を選択できませんでした。下図で『センサ較正』の文字が薄く表示され、そこに移動できません。ポンプが『センサ較正』の機能をオフにしています。
この時の『履歴』のISIG値は「---」となっていました。ホーム画面でグルコース値は表示されているが、『履歴』の『ISIG履歴』では、グルコース値が存在しない、という不思議な状態でした。しばらくすると(5分ごとのグルコース値の更新のタイミングになると)、ホーム画面のグルコース値の表示が消えました(下図)。
トランスミッタとの通信を示す緑のライトは点灯していたので、ポンプとトランスミッタ間の通信はできています。1分ほどして、ホーム画面にグルコース値が表示されたので、ISIGr履歴を見ると、下図のとおり読み取り値が正常で、グルコース値も表示されていました。
何らかの理由で、ポンプが一時的に較正機能を停止したようです。恐らく、グルコース値の算出アルゴリズム(精度を維持するため?)の観点で、較正を止める必要があるのでしょう。
② 較正開始時、ホーム画面のグルコース値が消える
『センサ較正』を選択し、SMBGの血糖値をインプットすると、ホーム画面のグルコース値が消えます。旧バージョンでは、較正開始直後でもグルコース値は表示されていました。
5分後の更新サイクルで、グルコース値の表示は復活します。
ISIG履歴はきちんと記録されています。
③ グルコース値の精度は?
定期的に行う較正がグルコース値に悪影響を与えない(センサ読み取り値からグルコース値へ変換する計算のノイズにならない)ようにすることは重要なので、その観点で今回の変更は必然的なものと思います。
エンライト・センサはこれまでと同じGuardian2を使うので、間質液の読み取り精度が向上することは考えられません。ポンプのバージョンアップにより、センサが読み取った間質液の値(ISIG値)をグルコース値に変換するアルゴリズムを変えることは可能ですが、ポンプ内でどのような処理が行われているか知るよしもないので、精度についての判断は難しいですね。ユーザーができることは、数ヶ月くらい使い続けて、体感としての判断しかありません。
精度が改善されたエンライト・センサ(Guardian3)が、早く日本でも使えるようになって欲しいですね。Guardian3は、センサ読み取り精度の向上と使用期間の延長(7日)がメリットで、海外では既に利用されています。
私の場合、旧バージョンでもグルコース値とSMBG血糖値のズレ(誤差)は大きくなかったので、この10日間の使用感で評価するのは難しいと思います。
でも、強いて言えば、較正のアルゴリズムが改良されているようなので、良くなっているとの印象です。
新しいセンサ使用開始直後に読み取り精度が悪かった問題がありましたが、解決方法(これについては別記事で書くつもりです)を見つけたので、今は6日間に渡って、問題無く使えるようになりました。