前記事で1週間前の受診結果を書きましたが、私はヘモグロビンA1Cの数値が幾つかよりも、日々の血糖値が目標の80~200mg/dLの範囲になることを重視しています。このように書くと、毎日、ガチガチに血糖値コントロールをしているように見えるかもしれませんが、そういうことはありません。
最近は「血糖値コントロール、3つの変更」の記事で書いたことを行い、『血糖値が高ければ追加打ちし、低血糖に向かえば補食する』ことが基本的な考えです。
下図は、前回受診から今回受診までの日々の平均値と標準偏差です。
このグラフから、時々、高血糖があること(9/21~27、10/18)、低血糖が多かったこと(9/22、9/27~10/4、10/8、10/20)が分かります。特に、就寝中の低血糖が時々起きていることが、一番の課題です。このための改善として、
- 午後10時~午前2時30分の基礎を削減した(合計0.225単位減らす)
- 就寝前の血糖値(SMBG)に応じて、きちんと補食し、就寝時の血糖値が130mg/dL以上に調整する
を行っています。これで、かなり改善しています。
私は、HbA1cを幾つにしたいという目標を持っていません。日々の血糖値コントロールの結果がA1cに現れるので、血糖値を目標値の80~200mg/dLに近づけることが重要と考えています。
月刊糖尿病ライフ「さかえ」の10月号に「血糖値を測ろう」という特集記事があります。10頁に掲載されている下図が、A1cの特徴を示しています。
血糖値が乱高下していても、この状態はA1cの数値に現れません。これが、A1cを管理値とする時の問題と思います。このことは、A1cが血糖値の平均が反映されたものという、以下の事実からも分かります。
HbA1cの推定値は、(血糖値の平均値+46.7)÷28.7で算出できます。この計算式で算出した推定値と実際の測定値を比べてみます。
期間 | 平均グルコース値 | 標準偏差 | 推定HbA1c | 実測HbA1c |
---|---|---|---|---|
6/14~7/11 | 130mg/dL | 50 | 6.2% | 6.0% |
7/12~8/15 | 128mg/dL | 41 | 6.1% | 6.1% |
8/16~9/19 | 131mg/dL | 44 | 6.2% | 6.1% |
9/20~10/24 | 123mg/dL | 45 | 5.9% | 5.9% |
推定値と実測値が概ね一致します。これが、「ヘモグロビンA1cの値は採血した時点から過去2ヶ月間の平均血糖値と相関します」を説明しています。
血糖値を80~200mg/dLの範囲にするという目標を実現するために、血糖値の山を低くし、谷を浅くすることになります。 この手段が、「血糖値コントロール、3つの変更」の記事で書いたことを行い、『血糖値が高ければ追加打ちし、低血糖に向かえば補食する』ことです。
この目標に対する結果を数値化したものが、平均値と標準偏差です。これについて、「血糖値の変動を数値で評価する」の記事で書きました。