1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

A1cは、血糖コントロールにどんな意味があるの?

今日、ツイッターで"Beyond A1c"という言葉を知りました。これを直訳すれば「A1cを越える」ですが、ADA(American Diabeats Association 米国糖尿病学会)及びThe diaTribute Fundation (社会全体で糖尿病患者の支援を行うことを目指す財団)が中心に、ヘモグロビンA1cを糖尿病の管理に使うことの課題(限界)を解決するために新たな仕組みの確立を推進するプロジェクトの総称のようです。"Going beyond A1c"(A1cの限界を超える)とすれば、もっと分かり易いですね。

 

私は、発症してからの経験を通じて、A1Cを6%にするとか、6.5%以下にするとかを目標とする考えに疑問を感じていました。この理由は、私自身のA1cの推移にあります。

 

約1年半前の突然の発症から昨年12月までA1cが改善してきました。A1cが最も良かったのは、昨年12月の5.5%ですが、この間、低血糖を体感する状態が毎週何回か起き、300を越える高血糖は日常茶飯事の状態でした。

 

徐々にポンプ/SAPを使いこなせるようになり、同時に、幾つもの試行錯誤を経て、今年の3月以降は、体感するような低血糖はほとんどなくなりました。血糖値が250を越えることも皆無に近い状態になりました。この結果、現在のHbA1cは6%です。

 

A1cが6%未満から5.5%まで下がり続けた昨年の6月から12月の期間(①)と、6%前後の今年3月から現在までの期間(②)を比べた時、後者の期間(②)の方が健康及び生活の質の両面で良いことは明らかです。f:id:taky5566:20180610233519j:plain

 

 この経験から、A1cを管理指標とすることに疑問を感じていました。

 

ネットで"BeyondA1c"とググると、沢山の英文資料が出てきます。その中で、"Going Beyond A1c – One Outcome Can’t Do It All"が、とても分かり易い資料でした。

この資料の中程に下記の図が掲載されています。この図が、ヘモグロビンA1cを管理指標に使う場合の課題を示しています。

 

1日の血糖値変動ケースとして、3種類(1,2,3)が示されています。

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1(黒)は1日の中で血糖値が乱高下し低血糖高血糖を繰り返しているケース、 2(赤)はそれほど大きな変動はないが低血糖高血糖が起きているケース、3(緑)は1日の血糖値変動が70~180mg/dLの間に収まっているケースです。A1cは、3ヶ月ほどの期間の平均値(赤血球の中のヘモグロビンにブドウ糖が結合している割合)のため、これらの3つのケースで、A1cが同じ値(この例では7%)となり、3つのケースの違い(1日の血糖値変動)をA1cで表すことができない。これが「A1cの限界」と説明されています。 

 

これは、まさに私が感じていたことです。私は、A1cが血糖値コントロールの良し悪しを直接的に示すものではないと考え、A1cの値やその変動をあまり重視していません。

 

私の血糖値変動は、今年の2月ころまでは、上図のケース1(黒)でしたが、現在は、ケース2(赤)に改善しています。今の目標は、ケース3(緑)に近づけることです。そのために、私が行っていることは、次の2つです。

  1. 日内の血糖値変動を70~180mg/dLの範囲に収める。でも、これはかなり難しい目標なのですが、「平穏な血糖値を目指すアプローチ」で書いたことを行っています。
  2. 具体的なコントロール数値は、ポンプ/SAPの「履歴」にある、「センサグルコース履歴」の①70mg/dL以下の%、②70~180mg/dLの%、③180mg/dL超の%を使っています。これは、「今月の血糖値を振り返る」の記事に載せたパイチャートです。

 

数日に1回くらいの頻度で、ポンプの履歴をチェックして、日別のパイチャートを表示して、70mg/dL以下、70~180mg/dL、180mg/dL超の割合を見て、何が悪かったのか、何が良かったのか、を考えています。