前記事の続きです。
私は、自分が病気であるとは考えていません。発症した時は、血糖値が1079mg/dLでケトアシドーシスを起こしていました。入院し治療を受け、検査した結果、インスリン分泌が枯渇していることが分かりました。生きていくためにインスリン注射を続ける必要があります。そして、発症した時は『病気』だったが、今は『障害』と考えています。
その理由は、
- すい臓のβ細胞が壊れ回復することがなく、体の一部の機能を失っている
- インスリン療法は、治療ではなく、体内で分泌されないホルモンの補充である
- 「病気」は治療を受けるという受動的な行為を伴うが、「障害」は失った機能を自分自身で能動的に補う面が強い
からです。
これを、イメージで示すと、下図のようになります。
障害を補うために、自分の体と向き合い、食事、血糖値、インスリン量などを記録しています。”記録”は、パソコンでExcelを使い。体の変化・変動が把握できるようにしています。下図は現在のフォーマットです。
1日の記録を1行に記入し、通院日が木曜なので、木~水の1週間を一つのグループにまとめています。
毎日、寝る前に、起床直後のSMBG測定値、食事毎の炭水化物量・インスリン単位数・調整等の追加ボーラスを別枠で、食間の追加ボーラス・補食の炭水化物量、眠前のSMBG測定値・補正ボーラス・補食の炭水化物量を記入します。脂質等の特記事項を、吹き出しで付け加えます。記入にかかる時間は5分くらいです。
この資料(A4で1枚)は、通院時に主治医に渡し話し合い、自分用としてノートに貼り、いつでも参照できるようにしています。
日や週での変動・変化を俯瞰できるため、基礎の再調整が必要かどうかの判断、糖質比の見直し、カーボカウントの精度などの確認に役だっています。
失った機能を補うとの観点で、気をつけていることが2つあります。
- 事後対処型(Reactive)から脱却して、予測型(Proactive)で対応する
- 失敗を恐れない
これまでの経験で、血糖値を一度上げてしまうと下げるのが簡単ではないことを学びました。上がる前にボーラスできれば血糖値が安定するので、食事の内容に応じて、カーボ量に対するインスリン量に加え、過去の実績を参考にして追加でスクエア・ボーラスするようにしています。特に、脂質による後上がりを防ぐ効果があります。
失敗も沢山経験しています。でも、ボーラスし過ぎた場合は、補食すれば良いと割り切っています。また、カーボカウントが間違っていることもありますが、そうなったら「間違えてしまった」と諦め、次の機会に生かせば良いと、自分を慰めます。そして、失敗した時の情報は貴重で、この繰り返しが血糖コントロールの改善になると考えています。