これまでに5,6回、カニューレのトラブルで高血糖になりました。最も酷かったのは、565mg/dLになった時です(詳しくはここ)。この4週間で3回のカニューレ・トラブルが起きましたが、クイックセットに問題がありました。
ポンプの使用で、一番怖いのは、カニューレのトラブルです。食事に合わせてインスリン量を決め注入しても、食事から2~3時間後に300を超える高血糖になることがありました。「あれっ、何か変だな!」と感じ、いろいろ思い巡らすと、カニューレのトラブルに気がつきます。下図は、4月11日に起きたカニューレ・トラブルの際のグルコース変動です。この時は、360まで上昇しました(詳しくはここ)。血糖値がこの数値まで上がると、短時間で下げることができず、100前後になるまで12時間以上かかりました。
直近のトラブルは、2日前(4/13)の朝食時のことです。この時、ボーラスしている途中で気になり、カニューレを見ると、チューブの矢印がズレていました。慌てて、元に戻しましたが、注入されたインスリン量が分からず、どうしたものか悩みました。結局、血糖値が300近くまで上がってしまいました。
チューブをカニューレに接続するとストッパーで外れない構造になっているので、自然にチューブ(接続部)が動くことはないはずです。ところが、この時のトラブルは、チューブ接続部の矢印(▲)がカニューレの本来の位置(|)からズレた状態、ストッパーから外れた状態になっていました。こんな状態を見るのは初めてでした。
何故そうなったのか確認しました。チューブを反時計回りに力を加えると、容易に動きます。これが原因でした。とても外れやすい、チューブの接続部(透明なお椀の蓋状の物)がストッパーに引っかかり難い状態でした。
① チューブの接続部の▲が、カニューレの|の位置で止まっている
② ①の状態でチューブを反時計回りに力を加えると、接続部が動く
③ さらに反時計回りに力を加えると、チューブが外れる
チューブが所定の位置(▲と|が一致している)から僅かでも動いてしまうと、チューブからカニューレにインスリンが注入される量が不足したり、まったく注入されなくなります。ポンプは、インスリンの注入時に抵抗が生じる(例えば、チューブが折れ曲がり、インスリンが流れなくなる)と「注入の遮断」と判断して、アラームが出ます。ところが、今回のトラブルでは、インスリンがチューブの接続部に溜まる状態になっているため、この機能が働きません。
この4週間に3回起きたトラブルは、全て同じ原因と思います。そして、全て同一のロット(同じ箱に入っていたカニューレ)です。同一の箱の10個目のカニューレが、2日前まで使用したものでした。10個中の3個で起きたというのは、偶然ではなく、何らかの製造上の問題があったのでは、と考えています。あるいは、カニューレを装着していると、インスリン・ボール(硬結)ができ、徐々に皮膚が盛り上がってくるので、この時間経過とカニューレの構造的な問題の複合要因かもしれません。
クイックセットは、装着が簡単ですが、チューブとカニューレの穴(インスリンを受け入れる)が僅かでもズレてしまうと、きちんとインスリンが注入されないという構造的な問題があると感じています。
このトラブルを避ける方法は、チューブをカニューレに接続した時、必ず、反時計回りにチューブを引っ張り、動かないことを確認することです(下図)。でも、私は、この問題に気がつくまで、ここまで注意していませんでした。
カニューレは、クイックセットの他に、シルエットがあります。シルエットは、チューブがカニューレから外れにくい構造になっているので、私は、今後シルエットをメインに使うことにしました。