1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

左脚の痛み(しびれ)・・原因は?

前回の定期受診(「2022.4月の受診結果」)で主治医に相談した脚の痛み(しびれ)、2週間前に整形外科を受診して、原因が分かってきました。

 

痛みというかしびれ(この区別がつき難い)は、左脚の膝下(下図の①の部位)。15分くらい歩くと痛くなり、歩くのが辛くなる。同時に、腰のあたり(下図の②の部位)にも痛みを感じる。そして、もも(下図の③の部位)も少し痛い(痛みの程度は①>②>③)。

   

 

通院先の総合病院の院内紹介手続きで整形外科を受診しました。ここの整形外科は評価が高く、地域のクリニックから紹介されて受診する患者が多いのでとても混み合っている。朝8:40に来て診察・会計・薬局が終わったのが午後3時半過ぎ、なんと7時間かかった。

背骨のレントゲンを撮り、医師の診察は、脊椎の神経を圧迫していることが原因で、椎間板ヘルニアか脊柱管狭窄症(初期?)とのこと。確定診断に腰椎MRI検査が必要だが、その予約が取れず4週間後となった。痛み止めを処方してもらった。

 

原因が分かったので、生活を改善しました。

  • 足を組まない
  • ショルダーバッグを止めて、リュック型のカバンにする
  • きちんと椅子に座る(背もたれまで腰を入れる)
  • 寝転んでテレビを見る等のだらけた姿勢しない
  • 適度な運動をする

を心掛けています。この効果と薬の服用でかなり良くなり、今は普通に歩けるようになった。

 

当初は「糖尿病神経障害」を心配しました。

 

月刊『さかえ』の2022年2月号に『糖尿病と”しびれ”』の特集が掲載され、「糖尿病神経障害」について説明されている。かなり分かり易いので、要点を引用します。

 

糖尿病患者が「しびれ」を感じる場合、考えられる原因は

  • 発症したばかりの脳卒中脳出血脳梗塞)に伴うしびれ
  • 頸椎や腰椎に関連した整形外科的疾患に伴うしびれ(比較的多いケース)
  • 糖尿病(性)神経障害(最も頻度が高い)

糖尿病患者から「しびれ」があると訴えられると主治医(糖尿病専門医)は

  • いつから?
  • 部位は?
  • しびれの程度は?
  • その特徴は?
  • 一日の中で症状の強さに変化はあるのか?

などを確認し、考えれる原因(上記)に該当しそうかを判断する。

1~2時間前から急に前腕あるいは足全体のしびれを感じるようになったのであれば脳卒中を疑う。

少し前から片方の手で小指以外の指先がジンジンしびれるのであれば毛根管症候群を疑う。

姿勢の変化や歩行の際に症状の変化がある場合は、頸椎症や腰椎症、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなどを疑い、整形外科の診察を依頼する。

これらの疾患の中で、脳卒中は糖尿病合併症として重要、毛根管症候群は糖尿病患者に起こりやすい。脊椎や腰椎の疾患は糖尿病の有無とは関係なく起こる。

糖尿病神経障害に伴うしびれは

  • 左右対称性に体の中心から最も遠い部位である足趾(足の指)あるいは足裏から始まる
  • それが時間とともにゆっくり中枢(上の方)に向かって進行する
  • いつから始まったのかはっきり記憶できていないことが多い
  • その症状は何かをしているときよりも、テレビを見ていたり、夜になり布団に入って寝るときに感じることが多い

が特徴。

糖尿病神経障害は、糖尿病患者に起こる、脳と脊髄以外の末梢神経の障害であり、糖尿病以外に原因が考えられない場合に診断される。これを除外診断と呼び、脳卒中あるいは頸椎や腰椎の疾患を先に疑い、これらの疾患がないと判断されて診断が確定する。

 

糖尿病神経障害の分類

 

糖尿病神経障害の自然経過:

まず、高血糖によって神経細胞や神経線維が障害を受けると、それだけでしびれや痛みが起こることがある(下図の①陽性症状)。また、神経細胞や神経線維の障害・脱落(機能しなくなる)に伴って再生された未熟で幼弱な神経がしびれや痛みの原因となる。

しびれや痛みの症状は、比較的早期から起こり得る。これは神経が生き残ろうとしている、あるいは生き返ろうとしている証しと考えれば、まだましな状態と考えることもできる。なぜなら、進行すると、どこかの時点からしびれや痛みがなくなってしまうことがあるから(下図の②陰性症状)。患者にとって症状がなくなるので良いと感じるかもしれないが、本当はもっと怖い状態に至っている可能性がある。足に傷ができても気付かない、あるいは熱い風呂に入ってもそれが分からないといった感覚障害に至っている可能性がある。それは同時に足壊疽の予備軍になる恐れがある。この状態になる前、すなわち、しびれや痛みを感じるようになったら、速やかに主治医に相談することが大事。

 

1型糖尿病を発症して入院中に受講した「教育」で、合併症の結果、足壊疽で切断する等の話しを聞いたが、初期のしびれや痛みに注意することが大事との話しは聞かなかった。それが、ちょっと残念。

 

この特集記事のまとめに、「世界、あるいは日本で行われた臨床研究から、ヘモグロビンA1cの数値を7%未満に保つことにより、少なくとも糖尿病神経障害の発症や進展を止めらることができることが分かっている」と記されている。

 

いずれにしても、足先などに異常が出てからでは遅く、かなり病状が進行している可能性が高い。普段から体の痛みやしびれに注意する必要があると思う。そして、異常を感じたら、主治医に相談して早期の診察を受けることが重要、これが今回感じたことの一つ。