1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

血糖値の変動を数値で評価する

毎日、朝起きて朝食を食べ、動き回り、昼がきて食事をする。午後も動き回り、夜になり夕食を食べ、しばらくすると寝る時間になる。

このように同じパターンで生活しても、食べる物、体調などの血糖値に影響するファクターが同じではないので、血糖値が大きく変化する。そのため、日々、定期的に血糖値のチェックに気を配る・・・これが、自分の宿命と感じています。

私にとって、これは嫌々ではなく、諦めでもなく、自分の体の機能を失ったことに対処する、生きるためのルーチンです。

 

ひと月ほど前から、毎日の血糖値変動の良し悪しを数値で評価しています。この方法は、何が悪影響しているか、何が良かったのか、1日の血糖値変動を俯瞰して見ることに役立っています。

 

下図は、異なる変動パターンです。赤は、低血糖60から175まで上昇した後、70に下がるという、乱高下している状態です、このケースの平均血糖値は125。

もう一つの青は、正常値100から徐々に160まで上がり、ゆっくり時間をかけて100まで戻るという、比較的、安定しているケースです。このケースの平均血糖値は、赤と同じ125。

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血糖値の変動幅が大きく違うのに、平均値は同じ125、平均値は、その間の数値を同型して個数で割り算された値なので、性質の違いが表せないというマイナス面があります。

ひと月ほど前までは、血糖値変動の最高値と最低値の2つを気に掛けていました。でも、これでは、血糖値が高原状態で高い数値が続いていたのか、あるいは、一時的なピークだったのかなどを把握できません。

 

データの集団のバラツキを表す指標に標準偏差があります。これで血糖値の変動を評価すると便利です。標準偏差を使うことで、平均値、あるいは最高値と最低値のペアだけでは分からない、血糖値変動の性質を把握できます。上図の赤の標準偏差は37で、青は20です。この数値の差が、血糖値が、どれくらいバラついていたかを示してくれます。赤は乱高下している、バラツキが大きいから、標準偏差が大きくなり、青は、比較的安定している(なだらかな変動)、バラツキが少ないので、標準偏差が小さくなります。

 

血糖値の標準偏差は、ポンプのユーザーであれば、ポンプの履歴データとして、1日毎、7日平均、30日平均の値が見ることができます。そのため、計算方法を知る必要はありません(リブレを使っている場合は、少し工夫が必要です。これについては別途書きます)が、標準偏差の意味を理解する助けになると思い、簡単に計算方法を書きます。

 

1.データ集団の平均値を計算する(上図の赤、青ともに125です)

2.各データと平均値の差を取って、二乗する(赤のケースで計算)

   (60-125)を二乗する=4,219

   (75-125)を二乗する=2,495

   (90-125)を二乗する=1,222

    ・・・・・

3.2で計算した数値の合計を計算する=28,093

4.3で計算した数値をデータの総数(20個)で割る=1,405

5.4で計算した数値の平方根(√ ̄)を計算する=37

5の計算結果37が、赤のケースの標準偏差です。この場合、20個ある血糖値が、平均値125から離れている度合い、つまり、平均的に見ると、血糖値が125±37になっているということです(これは標準偏差の正しい説明ではありませんが、ざっくりとした意味の説明です)。

 

青のケースでは、赤にくらべてバラツキが少ないので、標準偏差が20、20個のデータ全体を平均的に見ると125±20です。

 

血糖値の変動を数値として評価する場合、平均値と標準偏差の2つをペアで評価します。

平均血糖値が高く、標準偏差が小さい(例えば、平均値が170で、標準偏差が25)場合は、血糖値が高止まりしていることが多い、と言えます。

平均血糖値が高く、標準偏差が大きい(例えば、平均値が170で、標準偏差が65)場合は、血糖値が高い範囲で乱高下していることになります。

平均値が低く、標準偏差が大きい(例えば、平均値が120で、標準偏差が60)場合は、血糖値が乱高下し、低血糖も起きているはずです。

 

 

平均値が低く、標準偏差も小さいのが望ましいですが、これは高望みになるので、今は、平均が120~130、標準偏差が30~35くらいを目指しています。

 

ポンプを使用して、どのように平均値と標準偏差を収集し、管理に役立てているかについて、次の記事で書こうと思います。