1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

脂質とタンパク質による後上がりを防ぐ

毎食前、カーボ(炭水化物、糖質)をカウントしてインスリンを射っていますが、炭水化物以外(特に脂質)の血糖値に影響に対しては、食後に追加でインスリンを射つようにしています。私は、これで血糖値の後上がりを防いでいます。

 

食後(食前のボーラスから1時間後くらいが目安)、食前のボーラスでカバーできていない、主に脂質(&タンパク質)を対象にボーラスします。

インスリンの単位数は

  • 過去の実績(経験値)を参考にする
  • 成分表に記載されている脂質量を基準にする(食べたことがない食べ物の場合など)
  • 食べた時の感触(脂分、食材など)で考える(成分表がない場合など)

で決めます。

 

以下に、私が実際どのように行っているかを書きます(説明は簡略化)。

 

4月14日(水)

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  • 昼食はヒレカツ丼、脂質16.3gで、3単位(揚げ物類は脂質の2倍、16✕2÷10)を基準にしていますが、3単位は少し多いと思い2.5単位に決め、ノーマルで1.5単位とスクエアで1単位(30分)をボーラス
  • 夕方、グルコース値が102mg/dLまで下がったので、角砂糖1個とブドウ糖1個(炭水化物約5g)を補食
  • 夕食はかつおの刺身、脂質の多い魚は後上がりするので、食後に1単位をノーマルでボーラス
  • 眠前の血糖値が109mg/dL(実測)だったので、カフェインレス豆乳コーヒー100ml(炭水化物6g)を補食
  • 翌朝起床後の血糖値102mg/dL(実測)

 

4月15日(木)

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  • カレーを夕食に食べた。カレーの時は、食後に追加3.5単位と決めているので、ノーマルで2.5単位、スクエアで1単位(45分)でボーラス
  • 20:30にグルコース値が104mg/dLまで下がったので、鳩サブレ半分(炭水化物11g)を補食
  • 眠前の血糖値137mg/dL(実測)
  • 午前3時に目が覚め、グルコース値が81mg/dLだったので、ブドウ糖2個(炭水化物4g)を補食
  • 翌朝起床後の血糖値105mg/dL(実測)

 

4月17日(土)

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  • 夕食はハンバーグ(脂質13.4g)とレンコン挟み揚げ(脂質12.7g)に対して、経験値を基に1.7単位をノーマルでボーラス
  • 眠前の血糖値125mg/dL(実測)
  • 翌朝起床後の血糖値90mg/dL(実測)

 

4月18日(日)

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  • 夕食に銀たら塩焼きを食べたので、食後に1単位(魚は1単位と決めている)をノーマルでボーラス
  • 眠前の血糖値が118mg/dL(実測)で緩く下降傾向なので、ブドウ糖2個(炭水化物4g)を補食
  • 6時に眼があき、グルコース値が137mg/dLだったので、0.6単位をボーラス
  • 翌朝起床後の血糖値119mg/dL(実測)

 

4月20日(火)

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  • 夕食は豚ヒレ肉蒸し煮で、これも後上がりするので、食後に1単位をノーマルでボーラス
  • 1単位のボーラスから30分後のグルコース値162mg/dLで、上がり続けるので0.5単位を追加ボーラス
  • その後も180mg/dL前後から下がらないので、0.5、0.3、0.3、0.3、0.5単位を追加ボーラス
  • 眠前の実測152mg/dLで残存インスリンがあるので、カフェインレス豆乳コーヒー80ml(炭水化物6g)を補食
  • 翌朝起床後の血糖値85mg/dL(実測)

 

4月23日(金)

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  • 夕食は鯖の塩焼き、必ず後上がりするので、食後に1単位をノーマルでボーラス
  • 160mg/dL前後に張り付いているので、0.5、0.3、0.2、0.3単位を追加ボーラス
  • 眠前の血糖値149mg/dL(実測)
  • 翌朝起床後の血糖値89mg/dL(実測)

 

4月24日(土)

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  • 夕食はカレー、食後に3.5単位(ノーマル2.5単位、45分のスクエアで1単位)をボーラスしたが、カレーのルーが少な目の調理で、グルコース値の上昇が大きくないため、0.6単位ボーラスしたところでスクエアをキャンセル。結果、3.1単位のボーラス
  • 眠前の血糖値102mg/dL(実測)だったので、カフェインレス豆乳コーヒー80ml(炭水化物6g)を補食
  • 翌朝起床後の血糖値76mg/dL(実測)

 

4月25日(日)

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  • 夕食はエビフライ・かにクリームコロッケの揚げ物で、脂質は10g。フライ類を食べた時の経験値で、2.5単位をノーマル1.5単位、スクエア1単位(30分)でボーラス
  • 22時ころ、グルコース値105mg/dLで低血糖に向かっているので、カフェインレス豆乳コーヒー120mlとクッキー1個(炭水化物14g)、チーズ1個を補食
  • 眠前の血糖値120mg/dL(実測)
  • 午前6時ころに目が覚め、グルコース値136mg/dLだったので、0.6単位をボーラス
  • 翌朝起床後の血糖値125mg/dL(実測)

 

 ポイントは血糖値が上がる前にインスリンを射つこと、と考えています。理由は、インスリンが効き始めるまでにの時間(作用発現時間)と最大作用時間が、後上がりするタイミングに合う必要があるためです(食前にカーボカウントしてインスリンを射つのと同じ)。

 

 

発症から2ヶ月後からカーボカウントを始めましたが、その頃は脂質で血糖値が上がることを知らず、カーボカウントを覚えて慣れることに手一杯でした。結果、それはそれで良かったと思っています。この当時の脂質の経験を記事に残しています(「脂質は手強い」)。

 

発症から9ヶ月後にポンプに切り換えましたが、ポンプの説明書の「脂質はスクエア・ボーラスで対応する」との説明を見て、カーボカウントで計算したインスリン単位数をノーマルとスクエアに分けてボーラスしたりして、糖質を乗り越える努力をしましたが、これは見事に失敗。脂質に必要なインスリンを射ってないので、当たり前ですね。

 

その後、炭水化物量とインスリン単位数が関係するように、脂質量とインスリン単位数の関係を決める方法があるのでは、と考え、試してみました。その時のことは、「脂質による後上がりを無くすことにチャレンジ」に書きました。この記事に「フライやとんかつなどの後上がりする食事の場合、脂質10gに対して1単位が目安になる」と書きましたが、脂質はそんな単純なものではなく、随分いい加減な内容でした。でも、これがスタートだったと思います。

 

発症以来、毎日の食べたものをメモに記録しているので、そこに脂質用にボーラスした単位数を記録し始めました。最初のころは、脂質10gで1単位でボーラスしましたが、インスリンが足りなかった時の追加ボーラス単位数、多過ぎて補食した炭水化物量を記録し、何を食べたらどのくらいのインスリンが必要になるか、を見極められるようにしました。

 

このメモから、寝る前に1日1行でExcelにまとめています。そこに、吹き出しで、脂質に関する次の項目を記録しました。

  • 食べたもの(カレー、豚カツ、かき揚げ、天ぷらなど)
  • 成分表などで脂質の量が分かる場合は、その量(グラム)
  • 見込みでボーラしたインスリン単位数

内容は、こんな感じです(2019年の1/10~1/23の記録)。

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3ヶ月くらい続けると、脂質に必要なインスリンの量を把握できるようになり、おおよその対応が分かってきました。そして、意外な食べ物で後上がりすることも分かりました。例えば、魚です(「魚を食べて、血糖値が後上がり」)。

 

この成功体験がモチベーションになり、その後もこの方法を続けています。

  

何を食べたら血糖値がい後上がりし、その時に射ったインスリンの単位数がいくつかが基準になりますが、血糖値が上がってから射つ時のインスリン単位数は、事前に射って後上がりを防ぐ場合のインスリン単位数よりも多くなる。これも経験で学んだことです。

 

いろいろな経験を積み重ね、試行錯誤して、 現在は、80~90%くらいについて上手く対応できています。残りの10~20%は、予測外の結果、高血糖になったり、ボーラスし過ぎで低血糖になったり、です。

 

今までの経験で重要と感じたことは

  • 失敗を恐れない → 失敗を次回以降に役立てる
  • 用意は周到に → 射ち過ぎで低血糖になることがあるので、しっかり補食できる準備が必要
  • 1回の成功を過信しない → 同じものを食べても、食べ合わせや体の変化で必要なインスリン単位数が変わる
  • 記録と経験の積み重ねが重要 → 対応が向上し、勘が発達する

 

スマートウォッチでグルコース値をチェックできるようにしたこともプラスになっています。設定したグルコース値になるとバイブで通知されるので、見落としを防げ、タイムリーに対応できます。