1型でいこう!

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CGMセンサのマリネと較正

新しいセンサを使い始める時、前日(24時間前)に留置し、センサ電極を間質液に馴染ませています。これは、2019年5月から始め、最初の1年間は、前日の夕方に留置後に翌朝使用開始してました(「センサ使用開始時のグルコース値不安定を防ぐ(1)」「センサ使用開始時のグルコース値不安定を防ぐ(2)」)。その後、昨年5月下旬から、交換して不要になったトランスミッタを利用して、前日の朝に留置し翌朝から使用開始する形に変えました。この方法で、新センサの使用開始初日のISIGス値(センサ読み取り値)が安定しポンプに表示されるグルコース値の精度向上に結びついています。

 

海外のFBで知ったのですが、この「センサ使用開始前に留置して間質液に馴染ませる」ことを、マリネ(marinate)と呼ぶんですね。最初にこの単語「marinate」を見たとき、意味がピント来なかったのですが、辞書を引くと「漬け込む」の意味で、料理の「マリネ」を指していました。料理と同じように、使用開始前にセンサを間質液に漬け込むことだと分かり、納得です。FB情報によると、Cold marinateとWarm Marinateの2種類のやり方があるので、別途試してみようと考えています。 私が行っているのは、Cold Marinate(コールド・マリネ)です。

 

明日9時ころに現在使用中(右尻)のセンサが2クールの6日目になるので、今朝、新しいセンサを左尻に留置し、ダミーのトランスミッタ(マジックで黒い丸を描いて、目印をつけている)を接続して、接続部が防水できるようにしました。

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このマリネによってセンサ電極が間質液にしっかり馴染むため、センサ起動直後にISIG値が高くなり過ぎ、初回の較正時に較正許容範囲外のエラーが起きることが希にあります。現在使用中センサでこのトラブルが起きました。

 

2/16朝に新しいセンサを留置。翌2/17(水)の朝、使用中のセンサからトランスミッタを外し充電後、新センサに接続して起動させました。センサ準備(Warm up)が始まり、約1時間後に要較正のアラームが表示されました。

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実測した血糖値は110mg/dL。朝食から2時間も経っていないのに110は低過ぎると思い、血糖測定器が正しくないかもと疑い、実測し直すと116。この116で較正しました。

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すぐに較正許容範囲外のエラーが表示され、較正が撥ねられました。

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実測の血糖値をISIG値で割った値が、2.5より小さい、または15よりも大きい場合、較正許容範囲外となります。この時のISIG値は50.86、116÷51=2.27となるので、エラーはSIG値が高い過ぎることが原因です。この状態では、15分待って再測定しても再び同じエラーになります。

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解決方法は

  • 補食して血糖値を上げてから較正する
  • 較正が通る値をダミーでインプットする

の2つですが、血糖値を130以上にするのは面倒だし、補食して確実に上げることも難しいので、15分待たずにダミーの値で較正することにしました。

後で書きますが、初回の較正はあまり重要ではなく、適当な数値で較正しても、ポンプが表示するグルコース値にあまり影響しません。

また、2回連続して較正許容範囲外のエラーが起きると、2時間ほど較正できなくなります。

余裕をみて血糖値を140(140÷50=2.8)として較正しました。

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15分後、無事に較正が完了。

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本来の血糖値116よりも約20高い数値で較正したので、ポンプが表示するグルコース値が実際の血糖値よりも20ほど高いと考えます。

 

通常、2回目の較正を初回較正から6時間後に近づけるようにしています。でも、きっちり6時間後という訳にもなかなかできません。そのため、少なくとも4時間以上経ってから2回目の較正を行うようにしています。

この時は、13:30ころに実測161で較正しました。この較正を行わなかった場合、下図のデータから、ポンプのグルコース値は実測よりも約20高い180くらいになっていたと推測できます。

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 その後、3回較正しました。

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これら4回の較正直後(滴マークの次)のデータを以下にリストします。

  • 13:48  159mg/dL  ISIG 51.60
  • 15:48   90mg/dL  ISIG 30.64
  • 20:13  150mg/dL  ISIG 43.00
  • 22:18   75mg/dL  ISIG 24.39

時間の経過と共に、グルコース値に対するISIG値が低くなっています。センサが安定すると、ISIG値とグルコース値が比例関係になりますが、上記では、そうなっていない。一番分かり易いのは、13:48のISIG値51.60 グルコース値159と、この6時間半後の20:13のISIG値43.00 グルコース値150の比較です。グルコース値はISIG値から計算されますが、この両者の差8.6に対して、グルコース値の差は僅か9です。この理由は、センサの使用開始(Warm up)時、センサの電極に塗布されている酵素を間質液に馴染ませるために、センサの電極に負荷をかけています。このため、使用開始直後はISIG値が高く、その後徐々に低くなります。

 

この事情で、初回の較正は、グルコース値の計算に重要ではない、言い換えると、ポンプのアルゴリズムはこれ(使用開始から数時間はISIG値が高いこと)を前提に組まれているようです。

 

センサが安定して機嫌良く働いてくれれば、血糖コントロールがやり易くなるので、事前留置して間質液に馴染ませる(マリネする)を行い、一つのセンサを2クール(12日)利用しています。