新しいエンライト・センサを使い初めるDAY1のグルコース値を安定させるために、使用開始の24時間前にセンサを留置するように変更しました。5月にトランスミッタを交換したのが切っ掛けで、その時から利用しています。これまでに5個のセンサ使用開始時で利用し、とても良い結果です。
使用開始の1日ほど前にセンサを留置して、電極を間質液に馴染ませる方法は関西発祥のようです。
昨年5月ころに、センサ使用開始直後の12〜24時間くらいの間は読み取り値が安定しない問題を病院担当のMRに相談しました。その時に2つの方法を教えられました(「センサ使用開始時のグルコース値不安定を防ぐ(1)」を参照)。これらの方法を試した結果、使用開始の半日前にセンサを留置するようにしてきました。
使用開始の1日前のセンサ留置を推奨されましたが、入浴の制約で半日前に留置していました。使用開始まで、センサの接続部(トランスミッタを差し込むコネクター)がむき出しになるので、お風呂に入るとセンサがダメになってしまう。そのため、『入浴後にセンサを留置⇒翌日の朝にセンサの切り換え』の手順で行ってきました。この方法でも効果がありましたが、時々、センサ読み取りが不安定になる(「CGMセンサは最初の24時間が関門?」を参照)ことがあり、今回の変更です。
5月中旬に、トランスミッタを交換しました(「トランスミッタの交換」を参照)。古いトランスミッタを病院の許可を得て、手許に残しました(病院から返却を求められていた。病院は、回収したトランスミッタを代理店に渡し、廃棄処理を行うようです)。
古いトランスミッタにマジックで印(下図の●)をつけて、使用中のトランスミッタと混同しないようにしています。もちろん、こちらは充電しませんが、電池が残っていても、センサとポンプに影響ないことを確認しています(ポンプにこのトランスミッタを登録していないので、ポンプと通信できない)。
下図は、センサ留置を24時間前に行った時のグルコース値のグラフです。この例で、どのような効果があったかを説明します。
7月18日午前8時に新しいセンサを留置。センサを留置する部位はお尻です。左右のお尻を交互に、13日(事前留置1日+6日×2クール)おきに留置しています。
翌日(7月19日)の朝、起床後に、いつものように血糖値を実測。続いて、使用中のセンサからトランスミッタを外し、充電。この時、古いセンサは体から外しません。理由は、新しいセンサが不良の場合、古いセンサを3クール目として使い続けるようにするためです。
トランスミッタが新品なので、20分ほどで充電完了。朝食を食べ始める直前の午前8時にトランスミッタを新しいセンサに接続しました。
朝食から約1時間後の午前9時に「要較正」のメッセージが表示されたので、初回較正を行いました(上図の最初の赤丸の箇所)。
午前10時半過ぎに、血糖値を実測してポンプのグルコース値をチェック(下図)。実測値127、ポンプのグルコース値130、ズレは殆ど有りません。この時は較正しないで、ポンプに血糖値の記録のみを行っています(上図の最初の青丸の箇所:SMBG#1)。
初回較正から約6時間後の14:50ころに、2回目の較正を行いました(グルコーズ変動グラフの2番目の赤丸の箇所)。
夕食直前の17:55に血糖値を実測(下図)。実測値61、ポンプのグルコース表示が75、ポンプのグルコース値は実測の10~15分遅れるので、乖離がないと言って良いレベルです。この時も較正せずに、ポンプに血糖値の記録のみを行っています(グルコーズ変動グラフの2番目の青丸の箇所:SMBG#2)。
較正のタイミングは、以下のようにしています。
センサ使用開始初日の較正
- 初回較正は、朝食後1~2時間になるように、センサの使用をスタートする(こうすると、初回較正が血糖値のピーク近くなる)
- 初回較正の次の較正(2回目の較正)は、なるべく6時間後に近づける
- 初日の較正回数は3~4回(最大で4回:初回較正、6時間後の較正、夕食後の血糖値がピークになるタイミングで較正、就寝前の実測値で較正)
2日以降の較正
- 起床直後は較正しない
- 血糖値が低い時(80以下)は較正しない
- 血糖値の振れ幅の上下で較正する(ピークと谷で較正する、ただし、80以下での較正は避ける)
- 1日の較正回数は3~4回(基本ルーチンは3回:朝食から1~1.5時間後に較正、午後3~6時くらいの間に較正、就寝前の実測で較正)
較正のタイミングの詳細は、「センサ・グルコース値の誤差を減らす」の記事に書きました。
下図は、残り4個(5月28日~7月7日)のセンサを使用開始直後のグルコース変動です。
5月28日
613日
6月25日
7月7日
センサは2クール使っています。1クール目の初日は、電極が間質液に馴染んでいるかによって、読み取り値が安定するかが左右されるようですが、2クール目は、電極が間質液に馴染んでいるため、6日間を通じて安定する、と感じています。 でも、2クール目では、希に、電極の劣化で読み取り値が不安定になることがあるので、注意が必要と思います。
センサの劣化は、ISIG値をチェックすることで把握しています(「ISIG値からCGMセンサ劣化の予兆を知る」を参照)。