私は、較正の仕方を工夫することで、ポンプ/SAPが表示するグルコース値とSMBGの血糖値の乖離がほとんどないと考えています。
でも、SMBGとポンプのグルコース値には10~15分のズレがあるので、これを検証するのは意外に難しい。例えば、SMBGで測定した血糖値が、ポンプのグルコース値と同じであったとしても、時間のズレがあるので乖離がないとは言えません。
そこで、CGMセンサの読み取り値であるISIG値とグルコース値をグラフにすれば、ポンプが表示するグルコース値の精度を検証できると思い、6日間の変動を記録してみました。
CGMセンサは、5分毎の間質液の値をポンプに送信し、ポンプは、これをISIG値として記録しています。下図は、9/20から9/26のデータ(15分間隔に間引いたデータ)で作成したグラフです。赤がグルコース値で左の縦軸目盛、青がISIG値で右の縦軸目盛です。●は較正で入力したSMBG血糖値です。
このグラフから、以下のことを確認できます。
- 較正のためにSMBG測定した血糖値が、9/24 19:30のSMBG(破線の円でマーク)を除き、ポンプのグルコース値の線に沿っている(9/24 19:30のSMBG測定値は、測定器の誤差があり、その数値で較正したため乖離が発生)
- 赤い線と青い線は、きれいに比例して、同じ曲線を描いている(赤と青が重なるよう、縦軸の目盛を調整している。ただし、6日間、同じ目盛に固定)。
- これら2点から、ポンプのグルコース値はISIG値とズレがなく、SMBG測定値とも一致していることが分かる。
センサの使用開始(9/20 17:30頃センサ準備スタート、19:30頃に初回の較正を実施)
第1日目(9/21 0:30頃に2回目の較正を実施、就寝。起床後4回較正)
第2日目(4回の較正を行う)
第3日目(3回の較正)
第4日目(3回の較正。19:30頃のSMBG測定値に誤差があり、グルコース値が乖離したが、眠前のSMBG測定で修正できた)
第5日目(3回の較正。センサ再使用のため、20時頃から読み取り値の感度が低下)
第6日目(較正は起床直後の1回のみ。この状態でセンサが終了)
較正をきちんと行えば、ポンプが表示するグルコース値は、血糖値との乖離がほとんどないことを確認できました。
私の較正の方法:
- 初回の較正が食事の1時間後になるように考え、センサを交換(あるいは初期化)する(これは、較正許容範囲外のエラーを防ぐため)
- その4時間後くらいに2回目の較正を行う(センサ初期化で上昇したISIG値が安定する時間として、初回較正から4時間程度あける)
- 起床直後と就寝前にSMBG測定し、較正する
- 初期化後の2日間は、較正を1日に4~5回行う。その際、ISIG値の振れ幅と血糖値の振れ幅を合わせるために、血糖値が低い時と高い時に較正する
- 3日目以降は1日に3回の較正(起床時、昼食後あるいは夕食後、眠前が基本)
- SMBGで測定した血糖値がポンプのグルコース値と大きく異なる場合は、SMBGで測定し直す(SMBGの測定値が正しくないことがある)