1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

「1型糖尿病をご存じですか?」を読みました

「1型糖尿病をご存じですか?」を読了。ひと月ほど前に手許に届いたのですが、いろいろと忙しかったので、今日までかかり読み終えました。

   f:id:taky5566:20180509212709j:plain

 

この本を読んだ感想は、「発症してから現在までの1年半の、自分が歩んだきた道は間違っていなかった」との思いです。欲を言えば、発症直後にこの本に出会っていたら、もう少し近道ができたかもしれないということもあります。その観点で、発症間もない人や、どのように1型糖尿病と向き合ったら良いか悩んでいる人は、この本が参考になると思います。

 

この本の中で、「そうだよね」と感じた箇所が幾つかあります。その部分を引用します。

 

患者自身が『主治医』(42頁)

多くの1型糖尿病の方は、4週間から8週間に1回程度の通院になります。診察時にはHbA1cなどを測定し、血糖自己測定の値などから、この間の血糖コントロールの状況を、医師やメディカルスタッフとともに振り返ります。そして、自らより良いコントロール方法を見出していくのです。カーボカウント法や運動時のインスリン療法についても、医療者のアドバイスを受けながら、自ら獲得していきます。

医療者はあくまでアドバイザー、トレーニングコーチのような役割です。患者さんご自身が「主治医」、それが1型糖尿病です。医療者が治療について本人の意見を無視して、「ああしましょう」「こうしましょう」ということは絶対避けるべきだと思います。本人の生活に合わせて、治療を行うのは本人ですから。

 

 チーム医療が大切(137~138頁)

大切なことは、患者さん自身もチームの一員ということです。(チームに)患者さんの家族や配偶者が入ることもあります。そしてチームを真に動かしていくエンジンは、患者さん自身なのです。主治医をはじめ学際的チーム医療のメンバーは、患者さんにとってパートナーであり、時にはアドバイザーであったり、コンサルタントであったりします。いいかえれば、患者さんと主治医、学際的チームが「治療同盟」を結ぶということなのです。そしてもっと大きなチーム医療の仲間は全国にちらばる1型糖尿病の方々や日本糖尿病協会、IDDMネットワークの方々だろうと思います。

 

それでも主治医は患者自身(149頁)

このように自分自身で自分の体をコントロールすることが大切です。多くの1型糖尿病患者さんが「実験」と称してさまざまなことをしています。「ラーメンを食べたときにどのようにインスリン量を決定するか。ステーキはどうか」「百キロサイクリングしたときのインスリン注射と栄養補給の方法」などです。患者さんが新たな「個性」を発見できる契機になります。 

 

この「主治医は患者自身」は大げさな言葉で、抵抗を感じる人もいるかも知れません。でも、私は、これを「患者自身が自分で体の状態や変化を把握して、インスリンを適切に使うことで、良い結果を生むことになる。1型糖尿病を生き抜くには、これが最善のアプローチ」と解釈しています。

 

1型に罹らずに正常であれば。体の変化や食事に合わせて、食事や体調の変化に応じて自動的に膵臓からインスリンが抽出されます。ところが、インスリンが枯渇してしまうと、必要なインスリンを外部から補給することになり、この自動機能が無くなる。自分の目(状況を把握し、観察する)、手(メモに記録、パソコンに入力、インスリンを打つなど)、頭(悩み、考える)などを駆使して、欠けてしまった自動機能を代替するしかない、と思います。

 

発症してまもなく、私は、このことに気がつき、自分の体調変化やインスリン注入量などを記録し始めました。 記録する内容は、時間の経過とともに変更してきましたが、今も「記録すること」を続けています。現在は、小型のメモ帳に、1日ごとの記録を1ページに箇条書きで書いています。これを、1日の終わり(寝る前)に、パソコンでExcelに整理しています(Excelの内容は、ここに記載)。パソコンの入力は5分ほどですが、1日の内容を見直す時間になっています。

  

この本には、食事の15分前にインスリンを打つことが書いてありました。2月から、これを実践していますが、大きな効果を感じています。

治療の進歩とともに(170頁)

超速効のほうはまだ不十分です。やや効果が遅く、食後血糖値を十分抑えきれないからです。そのため、食事の15分前に注射するほうが食後の血糖上昇を抑えられるとされています。