1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

インスリン/カーボ比を決めるアプローチ

以前、「インスリン/カーボ比を見つける」の記事を書きました。この記事は、カーボカウントの方法を覚え、ある程度カウントできるようになった後に、

を記録することで、自分のインスリン/ カーボ比を決めた経験をまとめたものです。

あれから1年ほど経ったので、自分が歩んだ道のりを振り返ります。

 

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 言葉として、インスリン/カーボ比、カーボ/インスリン比、糖質比(炭水化物/インスリン比)のように幾つかの呼び方がありますが、何を分母・分子にするかの違いだけで、実質は同じです。インスリン/カーボ比では、炭水化物10gを1カーボとしますが、ポンプで使う糖質比は炭水化物gになります。

 

上図で示されているように、食事のためのインスリンインスリン/カーボ比、糖質比)と、血糖値のためのインスリンは、密接に関係しています。でも、この両方を一度に決めることは困難です。

 

私は、次のようなアプローチで、段階的に、取り組みました。

  1. カーボカウントの習得(約1ヶ月)
    カーボカウントがある程度できることが重要です。これができない段階で、インスリン/カーボ比を決めようとすると、動く的に矢を放つようなことになる。私は、本(かんたんカーボカウント)を読んだ後、約1ヶ月間、毎食事でカウントの方法を練習した(詳しくは、「カーボカウントを学ぶ」と「カーボカウントの実践」を参照)。なお、カーボカウントは、主食を中心に、おおよその数字が把握できれば十分と思う。

  2. インスリン効果値を探した
    当初は、1800ルールから仮決めした。この頃は、インスリン固定打ちで、1日の総インスリンが26単位なので、1800÷26=69(インスリン1単位で血糖値が69mg/dL下がる)とした。この69を基準に、血糖値が高い時に、追加で打ったインスリン単位数と3時間後の血糖値を調べ、記録した、この結果、インスリン効果値が約50mg/dLであることを把握した。

  3. インスリン/カーボ比の決定(「インスリン/カーボ比を見つける」の内容)
    カーボ量1に対するインスリン単位を1+αと決めた。αは0.5~1単位の範囲で変動(カーボ量が5.5の場合インスリン6単位。カーボ量が9.0の場合10単位)

  4. 各食事で、カーボカウントを行い、2の方法でインスリン単位を打つ
    これを、5ヶ月間行った。同時に記録を取った。

  5. 昨年8月末にポンプを導入する際、3の記録から、糖質比を8.8g/インスリン単位と計算して、決めた。
    この時の記録は、「ポンプの導入と導入時に必要な情報 」の記事に掲載したExcelの表です。この期間(7/27~8/30の35日間)の食事(105回)の平均カーボ量が8.4、平均インスリンが9.5単位です。糖質比は、8.4×10÷9.5≒8.8g/単位と計算しました。これを、ポンプのボーラスウィザードに糖質比を入力して、ポンプを使い始めた。

  6. ポンプのボーラスウィザードで、毎食の糖質量(炭水化物量)を入力し、必要なインスリンの注入を行う
    食事時に血糖値の補正を同時に行う場合でも、ボーラスウィザードを使えば、ポンプ内に記録される。このボーラスウィザードは、とても便利な機能と思います。

  7. 6の内容から、朝・昼・夕の各食事の糖質比の修正を行った
    例えば、朝食後、血糖値が高い傾向が続き、追加ボーラスする回数が多ければ糖質比が下げる、あるいは、低血糖→補食の回数が多ければ糖質比を上げる、という修正を1~2ヶ月に1回くらいの頻度で行ってきた。
    現在の糖質比は、朝食:8.4、昼食:10、夕食:8.8です。

 

このように段階的なアプローチで、インスリン/カーボ比(糖質比)を決めたことが、結果として、血糖値コントロールにとても役立っていると感じています。